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ヴィーガンやベジタリアンなど、新時代の菜食スタイル20種類を網羅しました

ヴィーガンやベジタリアンなどの「菜食主義者」として生きる道を自ら選ぶ人が増えています。

日本ではまだまだ少数だと思いますが、私の住むオーストラリアではこうした食のスタイルも一般的です。ヴィーガンやベジタリアン向けのメニューはどのレストランにもだいたいあるし、気軽にやってみやすい環境。せっかくなので私も、最近は動物性のものをなるべく避けるようにしてみています。

完全なヴィーガンというわけではないのですが、調べてみると新時代の菜食スタイルにはかなりいろいろな種類があることがわかりました!

言葉遊び?と思えるようなものもありますが、20種類の呼び名の意味を網羅してみました。

Contents

ヴィーガンやベジタリアンってそもそも何なの

Vegetarian types 3

ベジタリアン=菜食主義者のことですが、語源から見てみると、必ずしも野菜しか食べないというわけではありません。

そもそもベジタリアンという言葉は、ラテン語のvegetus(健全な、新鮮な、元気のある)という言葉から来ています。1847年にイギリスでベジタリアン協会が発足する際につけられました。Vegetableとかけたという説もありますが、はっきりしないようです。

その100年ほど後、1944年に同じくでイギリスでヴィーガン協会が設立されました。Veganは簡単に言えばベジタリアンの上位互換。より厳しく、お肉だけでなく動物性食品を一切取らない人のことです。魚、卵、蜂蜜、だし汁やナンプラーなど動物性調味料などもダメ。

ベジタリアンもヴィーガンも、アレルギーや病気などが理由で先天的にそういう食生活にしている人と、自ら選んでそうしている後天的な人がいます。後者は、宗教上の理由、地球環境に配慮して、動物愛護のため、スピリチュアルな観点など、理由は人によってさまざまです。

ヴィーガンとベジタリアンにとどまらない菜食主義の時代

大きくわけるとベジタリアンとヴィーガンに分けられますが、最近は環境保護や動物愛護などの観点から菜食スタイルを選ぶ人も多く、その種類はかなり細分化しています。

いくつか並べてみると、こんな感じです。

  • Lacto Vegetarian(ラクト・ベジタリアン)
  • Ovo Vegetarian(オボ・ベジタリアン)
  • Lacto-Ovo Vegetarian(ラクト・オボ・ベジタリアン)
  • Pescatarian(ペスカタリアン)
  • White Vegetarian(ホワイト・ベジタリアン)
  • Pollo Vegetarian(ポーヨー・ベジタリアン)
  • Fruitarian(フルータリアン)

すごいですよね。下に行くほど驚異的で、もはや菜食とかではなくなってくるのですが、ぜひ20種類ご覧ください。

正式に認められているベジタリアンの種類

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まず、国際ベジタリアン連合により正式に認められているベジタリアンの種類を紹介します。

国際ベジタリアン連合では、一部の肉類や魚介類を摂取するグループのことはベジタリアンと認めていません認めているものは厳しい順に下記の4種類のみ。

1. Vegan(ヴィーガン)

ヴィーガンは完全に植物性の食品のみを摂取する人を指しています。

肉と魚は種類に限らず一切食べず、卵や乳製品も摂りません。チーズやヨーグルトも、はちみつなどの動物から取れるものはダメ。動物性の調味料が使われているものもダメなので、日本では出汁も取れず、食べるものが限られます。

ヴィーガンが最も制限は多いといえます。

2. Lacto Vegetarian(ラクト・ベジタリアン)

ラクトとは乳製品のこと。聞いたことはあるかもですね。

ラクト・ベジタリアンは、肉・魚・卵は食べないけれど、加工した乳製品は食べる人のこと。牛乳やチーズ、ヨーグルトは摂取します。チーズだけは大好きでやめられない……という人もけっこう多いのです。

3. Ovo Vegetarian(オボ・ベジタリアン)

Ovoにはラテン語由来で「卵」という意味があります。

肉・魚・乳製品は食べないけれど、卵だけは摂取する人のこと。欧米だと朝食に卵料理が欠かせなかったりしますし、なかなか家庭環境的にも卵をアウトにするとやりづらい人もます。

私もベジタリアン寄りの食生活にしていて、卵ないと難しいな……と思うことはけっこうあります。

4. Lacto-Ovo Vegetarian(ラクト・オボ・ベジタリアン)

ラクト・ベジタリアンとオボ・ベジタリアンの融合です。

肉・魚は食べないけれど、卵と乳製品は摂取する人のこと。これは多いイメージがあります。卵と乳製品を生活から取り除くのはけっこうたいへんなので、まずはラクト・オボから入り、徐々に減らしていきヴィーガンになる人もいますね。

新しいゆるめベジタリアンの種類

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以上が、国際ベジタリアン連合に認められているベジタリアンです。共通点は「肉・魚は食べない」ことでした。

ここから紹介するのは、魚は食べたり種類によっては食べたり、時と場合によったりという人たちです。正式ではありませんが、かなり増えている新しいスタイルです。

5. Pescatarian(ペスカタリアン)

Pescaとはイタリア語で「魚」のこと。ラテン語や欧米由来のワードの微妙な違いで、ペスキトリアンやペスコタリアン、ペスコ・ベジタリアンなどとも呼ばれますが、同じものです。

菜食+魚介類という食事スタイルで、お肉を食べないだけで魚は食べる人です。卵や乳製品も食べることが多いようです。

「お肉だけ食べない」ということなので、このスタイルになる理由には、畜産による温室効果ガス排出への配慮や、自分の健康を考えてということが多いです。伝統的な日本食もペスカタリアンのスタイルに近いようです。

6. White Vegetarian(ホワイト・ベジタリアン)

肉・魚ともに「赤身」を避け、「白身」なら摂るという人たちです。

お肉なら豚や牛は食べず鶏肉のみ、魚ならマグロやブリなどは食べないけど、タイやヒラメはOKということになります。青魚はどうなんでしょう……?微妙なラインです。

レッドミートとホワイトミートをどうやって分けるのか?は、曖昧でいろいろな見解があります。部位によっても違いますしね。赤身のほうがよりお肉っぽいのはわかりますが、栄養素の問題だったり、飼育方法まで目を向けていたり、ホワイトベジを選択する人の理由はさまざまです。

7. Pollo Vegetarian(ポーヨー・ベジタリアン)

Pollo(ポーヨー、ポゥヨゥ)はイタリア語で「鶏」のこと。かわいいですね。

そのままの意味だと「鶏肉は食べる人」のことです。魚介類や卵・乳製品も食べる人が多いようです。

牛・豚・羊などの「獣肉」は食べないけれど、鶏などの「家禽類」は食べる。このスタイルは、動物愛護などの観点よりも、自分の健康志向的な意味で選ばれることが多いようです。「鶏肉はありか」という考え方は、個人的にはよくわかります。

8. Semi Vegetarian(セミ・ベジタリアン)

もうこうなってくるとよくわかりませんが、、、「セミ」なので、完全にはベジタリアンではないけどベジタリアンっぽい食生活をしている人のこと。

ときどきお肉や魚を食べるけど、ほとんど菜食中心というスタイルです。

まあ気持ちはわかりますよね。たまに食べたなくなるときもあります。「セミ」の度合いは人それぞれで、完全な菜食主義者の人からすれば、なんだそれって感じはあるのかもしれません。

9. Flexitarian(フレキシタリアン)

セミベジタリアンとほとんど同じですが、こちらのほうが新しい言葉です。flexible(フレキシブル=柔軟な)とvegetarian(ベジタリアン)をかけた造語で、柔軟なやり方で菜食スタイルをやっている人のことを指しています。

私自身は、現在これだと思います。フレキシブルはどちらかというと社会的状況や人間関係にまつわる部分をカバーしていて、外食するときはお肉を食べたり、美味しいレストランに行けば魚も食べたり、友達からの頂きものならチーズも食べたり、という感じです。

フレキシブルに対応する。それなら始めやすいです。

10. Reducetarian(リデュースタリアン)

Reduce=減らすという意味で、肉の摂取量を減らす食スタイルの人のことです。

セミベジタリアンやフレキシタリアンとやっていることはあまり変わらないのですが、段階的に減らしていくという考え方に特徴があるようです。いきなり変えるのではなく徐々に。

1日1食だけお肉を食べるとか、月曜日だけは完全にお肉を避ける「ミートレス・マンデー」(世界でもトレンドになっています)などもこの考え方です。

ただこれは言葉遊びな側面もありまして、「フレキシタリアン」と言ったところ誰にも通じなかった人が、「リデュースタリアン」という新語を作ってフォロワーを増やしたのがはじまりだそうです笑

厳格だけど特殊でどこにも当てはまらないベジタリアンの種類

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続いて、制限は厳しめなのだけどちょっと特殊なものだったり、もはやベジタリアンを超越しているスタイルを紹介します。世界は広い。

11. Fruitarian(フルータリアン)

Fruit(フルーツ)から来ていて、果食主義者、果物常食者などと訳されます。

ヴィーガンよりもより厳格な菜食で、収穫することによりその植物自体を殺さないものだけを食べる人たちです。肉・魚・卵・乳製品はもちろん食べません。実のみ。

考え方が少し難しいのですが、野菜でも多くの場合、収穫することで根っこから取ってしまいますよね。果実・種子・ナッツであれば、土台をダメにしてしまうことはありません。同じ野菜でも、トマトなど木に実る野菜はOK。

より厳しいと、木から取ることさえ自然の摂理に反するとして、熟して地面に落ちた実しか食べないという人がいます。

12. Oriental Vegetarian(オリエンタル・ベジタリアン)

仏教で、ネギ・にんにく・にら・らっきょう・浅葱を「五葷(ごくん)」というのですが、この五葷を食べないヴィーガンのことをオリエンタルベジタリアン(オリエンタルヴィーガン)と呼びます。

Buddhist Cuisineといって、仏教が大きく影響した東洋スタイルのヴィーガン食です。台湾の素食や精進料理はこれに分類されるようです。

卵も含みませんが、乳製品はたまに含むことがあります。日本料理には出汁が欠かせないので、オリエンタルベジタリアン食を謳いながらも出汁を使っていることもあるようです。奥深い世界……。

13. Raw Vegan(ロー・ヴィーガン)

Rawとは生ってこと。ヴィーガンのなかでも、なるべく「そのままで」食材を食べる人を指すみたいです。

野菜や果物に含まれる「酵素」が健康にいいという考え方がベースにあって、食材を加熱しないか、低温で酵素を壊さないように調理します。

茹でたり焼いたりはしないので、食べるものが限られそうですね。。温かいものは基本的に食べないということになります(寒そう)。

14. Non-Meat Eater(ノンミート・イーター)

動物の「肉だけ」を食べない人たち。皮や脂は食べるそうなので、ラードも使えたりします。魚・卵・乳製品も食べます。

食べるものの種類だけを見れば、あまり厳しくない感じがするのですが、思想という意味で少し毛色が違います。「肉は身体に悪い!」という強い考え方をもっている人が多く、柔軟に魚や卵は食べよう〜みたいなゆるさから来るものではなかったりします。

ただ、いろんな解釈がある言葉です。ただ単に「ノンミートイーター」なだけなこともある。

15. Liquidarian(リキッダリアン)

Liquid=液体ということで、液体だけしか摂らない人のこと。

摂取するのは、水、豆乳、野菜ジュース、スムージーなどの植物性の液体です。固形の状態では食べません。

一時的に野菜ジュースのみで断食する「ジュースクレンズ」などは流行りましたが、常にその状態ということです。すごいですね。「噛む」という行為に違和感を感じるなど、少しスピリチュアルな理由だったりもします。

この状態を乗り越えると、人類として未知の領域に到達します……。

16. Breatharian(ブレサリアン)

ベジタリアンの最終形(?)が、このBreatharian(ブレサリアン)=不食者です。

基本的に食事はせず、光と空気からエネルギーを吸収する。

え……?そんなことができるんですか……?

Breatharianという言葉は、息をするのbreathから来ています。呼吸をするだけで宇宙からのエネルギーを摂取できる人のことだそうです。リキッダリアンを極めていき、最終的には水すらも摂らないブレサリアンを目指すのだとか。

嘘か本当かわかりませんが、この不食生活で何年も健康に生きている人がいるというネットの情報があります。私は信じも疑いもしませんが、一応、そういう情報があるということだけ伝えておきます。

その他、いろいろなベジタリアンやヴィーガンの関連用語

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食のスタイルに関する種類は、だいたいこんな感じでした。奥が深いですね。その他、ヴィーガンについての関連用語を紹介しておわります。

17. Ethical Vegan(エシカル・ヴィーガン)

Ethicalとは倫理的なという意味で、動物愛護や環境保護などの倫理的な観点からヴィーガンになっている人のことをこう呼びます。

アレルギーや好き嫌いでヴィーガンになった人は含みませんが、先天的にアレルギーを持っていたりする人が自分の食べるものを通して社会問題に関心をもち、後天的にエシカルヴィーガンになるということはよくあります。

というか、エシカルの観点が皆無のヴィーガンのほうが、今は少ないかもしれません。エシカルヴィーガンは食だけでなく、動物のファーやレザーなどの動物性製品を使うことも避けます。

18. Dietary Vegan(ダイエタリー・ヴィーガン)

逆に、Dietaryは、食事のみがヴィーガンという意味です。

倫理性の観点というよりも、自身の健康のためだったり、ただ単にお肉などがあまり好きじゃなかったりで、食べるものだけをヴィーガン食にしている人です。

食用以外は動物性のものを避けることなく、普通に使う。そんな人もいます。

19. Environmental Vegan(エンバイロメンタル・ヴィーガン)

エシカルヴィーガンとかぶりますが、中でも「気候変動による環境問題」への課題意識からヴィーガンになる人のこと。

ヴィーガンになるEthicalな理由は、大きくわけると「環境保護」と「動物愛護」の2軸があります。児童労働などが含まれることもあったりしますが。

この両者でいえば、環境のほうに目が向いている人。自然を守るために、日々の食生活から変えてみる。すぐにできることですね。

20. Pseudo-Vegetarian(スード・ベジタリアン)

これは特定のベジタリアンのことを指すのではなく、「疑似ベジタリアン」という意味の言葉です。

正式に認められていないベジタリアンのことを、偽物だ!と批判する人がいるのです。

自分がストリクトにヴィーガンを貫いていたら、そう言いたくなる気持ちもわからなくはないです。ただ、これにはお互いのリスペクトが必要だと思っており、そのへんの話をして締めたいと思います。

さいごに:ヴィーガンやベジタリアンは個人の「選択」で、そこに「正解」はない

こういう話をまとめるのにためらう理由のひとつに、ヴィーガンやベジタリアン界隈に、宗教論争的なものが起こっていることがあげられます。

「そんなのは疑似ベジタリアンだ!」
「私はこんなに厳しく制限しているのに」
「お肉を食べるなんて非人道的!心がない!」
「動物たちがかわいそうだと思わないんですか!?」

など、それぞれの主張を正しいと信じる人たちによって、たびたび議論が起こっています。

その状況を「めんどくさい」「なんか宗教っぽい」と敬遠して、ヴィーガンやベジタリアンの食事スタイルそのものに興味をもつところまで辿り着けない人たちがたくさんいるわけですね(特に日本では)。

どんな食スタイルも人それぞれの選択。強要するものではない。

この考え方が大事だと思います。人類は食物連鎖ピラミッドの頂点にいる生き物です。だから生物学的に考えれば、地球上のなにもかもを食べ尽くしてしまっても、理論上おかしいことではない。その上で何を食べるかを選択することは、それぞれの正義や価値観による問題でしかありません。

選ぶも選ばないも、正解はないということです。この記事でだいたい最新の菜食スタイルと関連用語は解説したと思うので、自分に合いそうなものがあればぜひ取り入れてみてください。

 

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おわり。

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