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世界で大衆化するヴィーガンコスメ。その定義と日本・海外のおすすめブランド

この数年で、動物や地球環境にやさしいサステナブルなものづくりをするブランドが増えてきました。化粧品・コスメの市場にもその流れがきています。

世界でトレンドとなり、すでに大衆化しつつあるのが「ヴィーガンコスメ」です。「ヴィーガン=野菜しか食べない人」という認識の人もまだまだ多い日本では、ヴィーガンコスメもまだそれほど浸透していません。

ヴィーガンコスメの定義から、世界的にトレンドとなった背景や現在の市場、日本と海外のおすすめヴィーガンコスメブランドなどを紹介します。

ヴィーガンコスメの定義とは

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ヴィーガンコスメとは何か?を定義すると、以下のようになります。

定義:動物由来成分を使っておらず、製造工程で動物実験もしていないコスメ

もともとヴィーガンとは肉・魚・卵・乳製品などの動物性食品を一切摂らない食スタイルを指し、毛皮やファーを身につけないなどファッションの分野にも広がりました。そしてコスメにも取り入れられています。

私自身も最近はできるだけヴィーガン寄りの食生活をゆるくしていて、ファッションやコスメも気にして選ぶようになってきました。

新しい概念のためいろいろな解釈があり、動物由来成分を使わないだけで“ヴィーガン”と謳っているブランドもありますが、最近のしっかりとしたヴィーガンコスメブランドは両条件を満たしているものが多く、人々の意識も「どちらが欠けていてもヴィーガンコスメとはいえない」と高まってきているように思います。

そのためここでは、①動物由来成分を使わない、②動物実験をしていないの2つの視点にわけて理解します。

条件1. 動物由来成分を使っていない

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私たちが普段使っているコスメには、実は動物由来の成分がたくさん含まれています。

ハチミツ、コラーゲン(動物性たんぱく質)、シルク(蚕から取れる)、スクワラン(サメの肝臓の油)、グリセリン(動物の油)、ケラチン(動物の角や毛に含まれるたんぱく質)、牛脂

など。コラーゲンは肌によいことで有名ですし、グリセリンには高い保湿力があります。ケラチンはヘアトリートメントによく入っていますね。また、ブラシやつけまつげにはミンクの毛などが使われていたりもします。

ただ、けっして動物由来成分=有害というわけではなく、「必須でないなら動物性のものを使わないほうが地球にいいよね」というのがヴィーガンコスメの考え方です。

ちなみに、ヴィーガンに加えてプラントベース(植物由来)であれば、動物由来成分を含まない上に化学物質(防腐剤や合成香料など)も使っていないことを意味するので、より人体や地球環境への負荷が少ないです。

条件2. 動物実験をしないクルエルティフリー(cruelty-free)

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動物実験をしないこともヴィーガンコスメの定義のひとつで、これに関連して知っておきたいのが「クルエルティフリー(cruelty-free)」という言葉です。

クルエルティ(cruelty)は直訳すると、残酷さ、残虐性という意味。これがフリーなので、動物実験をしていないことを指しています。ヴィーガンコスメだと宣伝していたとしても、

  • 動物由来成分を含んでいなくても動物実験をしている
  • その製品は動物実験をしていないけど、ブランド全体ではしている
  • 加工はクルエルティフリーだけど原料の製造までは配慮されていない
  • 製造工程で部分的にクルエルティな行為が行われている

など、ちょっと複雑なこともある世界です。最近はヴィーガンやエコを掲げたほうが売れてしまうこともあり、マーケティング目的でやっている誠実でないブランドも出てくるなど少し問題となっています。

EU諸国ではすでに動物実験が禁止となっているなど、世界は動物実験廃止の方向に向かいつつあります。選ぶときは、成分的にヴィーガンなだけでなく、クルエルティフリーでもあるものを見極められると良いですね。

オーガニックコスメ、エシカルコスメ、ナチュラルコスメとの違い

日本でも「無添加」「天然由来成分」「ナチュラル」などの表示はトレンドですが、実はこれらのほとんどはヴィーガンコスメではありません。

オーガニック原料を使っているという点ではオーガニックコスメとかぶるけどけど、オーガニックは必ずしも動物由来成分を使用せず動物実験もしていないということは意味していないのです。

似たような言葉がいろいろ出ていますが、ヴィーガンでクルエルティフリーなコスメが一番厳しくしっかりしたものです。

日本の自然系コスメは「パッケージなども優しい雰囲気のデザイン」「キッチンで丁寧に手づくりしました」みたいなことが多いのに対し、世界のヴィーガンコスメはもっと攻めたビジュアルのものもあるなどの違いもあります。

ヴィーガン認証、クルエルティフリー認証

ヴィーガンやクルエルティフリーをしっかり見極めるには、認証マークを見るのが一番です。世界中でさまざまな団体が認証マークを付与しています。

ヴィーガンを認定する国際的な機関として、代表的なものを紹介します。

 

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The Vegan Societyは、1944年に「Vegan(ヴィーガン)」という言葉を作った団体。1990年からは、Vegan Trademarkを発行して、成分的な意味でも動物実験的な意味でも、厳格な基準でヴィーガン認証をしています。

 

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Vegan Actionは、1995年に設立されたアメリカのヴィーガンの非営利団体。オンラインでの活動に強みを持っていて、ハートにVのマークのヴィーガン認証を出しています。

 

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動物実験をしていないことの認証は、PeTA認証が有名。PeTAは「People for the Ethical Treatment of Animals(動物の倫理的な扱いをする人々)」の略で、世界最大の動物愛護団体として650万人以上のメンバーとサポーターがいます。

 

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コスメの反動物実験証明としてはLeaping Bunnyが有名です。1996年にアメリカやカナダの動物保護団体によって設立された団体CCIC(Coalition for Consumer Information on Cosmetics)が発行している認証マークで、コスメに特化しています。開発・製造にあたって動物実験を行わない製造業者であることの証明。

 

さまざまな動物保護団体がクルエルティフリー(cruelty-free)を認証するマークを付与していますが、どのマークも「ウサギの絵」がクルエルティフリーの象徴のようになっています。これはどうかな〜?と思うブランドがあったら、ウサギを探しましょう。

コスメ業界には、まだきちんとした国際的法基準がないため、ナチュラルですよと言うだけならとても簡単です。主要な認証制度のマークは頭に入れておくと、判断がしやすくなると思います。

ヴィーガンコスメの市場トレンド

ヴィーガンコスメ自体は古くからあるのですが、一般的に知られるようになったのは2018年頃からだと思います。トレンドの背景についても少し触れておきます。

ヴィーガンを公言するセレブリティの影響

ヴィーガンとして有名なセレブリティは、マドンナ、ナタリー・ポートマン、ステラ・マッカートニーなど。アクティビストに近いようなセレブリティが増えてきた影響は大きいです。

やはり海外のほうが環境問題や動物愛護への意識からヴィーガニズムへの理解があり、今やパーティーやレストランでヴィーガン仕様のメニューがないほうがめずらしいくらい。

Instagramで #vegancosmetics のハッシュタグ投稿数は、2020年7月時点で54万6000件。それに対して #ヴィーガンコスメ は5000件です。もちろん比較できるものではないのですが、世界の数にたいして100分の1以下はちょっと少ない気がしますよね。

「クリーンビューティー」の流行で進む大衆化

世界のビューティー業界では、「ナチュラルビューティー」に続くトレンドとして「クリーンビューティー」がきています。クリーンはそのまま清潔なという意味で、身体への害はもちろん、サステナブルで地球に害がないことなどを示します。

雑誌やWebマガジンでクリーンビューティー特集が組まれたり、取り組むブランドやメーカーも出てきたり。欧米では大企業も参入してきて、クリーンビューティーの大衆化・プチプラ化が進んでいます。ミレニアル世代やZジェネレーションと言われる若年層のほうが、そういった社会問題への意識が高いですからね。

イギリスでは、1月をVeganとJanuaryをかけてVeganuaryと呼んで、ヴィーガン推進月間とする動きまであるそうです。クリスマスにお肉やごちそうを食べるから、そのあとは慎みましょうということらしいです。

国産(日本製)ヴィーガンコスメブランド

日本にもヴィーガンコスメブランドはあるのでしょうか?

  • 日本でも買える海外のヴィーガンコスメブランド
  • スキンケアを主とした国産ヴィーガンブランド

はあるのですが、「コスメブランド」を「化粧品全般(口紅、ファンデ、アイメイクなど)を取り揃えるブランド」と定義すると、

  • 国産のヴィーガンコスメブランド

はまだまだ数が少ないです。認証を取っているかなど確認しきれていないかもしれませんが、信頼できそうなブランドを紹介しておきます。

SHIRO(シロ)

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日本発のエシカルブランドとして、国産の天然素材を使ったスキンケアアイテムを展開しています。自然由来成分だけを使い、動物実験を行わないクルエルティフリーです。

「酒粕」「がごめ昆布」「ごま」など、日本らしい素材を使っているのも特徴で、国産の魅力が詰まったブランドとなっています。

» SHIRO(シロ)オフィシャルサイト

ETVOS(エトヴォス)

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石鹸で落ちるミネラルファンデが目玉のブランド。ミニマリスト御用達らしく、日本の女性にも愛用者が多いです。

肌にダメージを与える最大の行為はクレンジングなので、そのクレンジングをナチュラルサイエンスとミネラルの力でなくしてしまったのがETVOS(エトヴォス)です。

「ミネラルメイク」をテーマに、肌を傷めないコスメをさまざま展開しています。

» ETVOS(エトヴォス)オフィシャルサイト

日本から買える海外のヴィーガンコスメブランド

海外のブランドも簡単に買えるので、発掘してみるのも楽しいと思います。

このサイトでもたびたび紹介しているiHerb(アイハーブ)には、海外のヴィーガンコスメブランドが多数揃っています。

なかでも私も愛用していて比較的安く買えるヴィーガンコスメブランドを紹介します。

▼iHerbを使ったことがない人はこちらもどうぞ

海外の日用品が安く変える!iHerbの使い方を初めての人向けに解説iHerb(アイハーブ)を2年以上も愛用しています。 iHerbとは、海外の日用品が安く買えるアメリカ発のECサイト。誰でも購入で...

 

Pacifica(パシフィカ)

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1996年にアメリカの夫婦が創業したヴィーガンコスメブランド。クルエルティフリーアワードも受賞しているなど、老舗で信頼できるブランドです。

Pacificaの特徴は、パッケージデザインがとてもかわいいこと。ヴィーガンでなくても欲しくなります。

ファンデーション、リップ、チーク、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、アイブロウ、スキンケア、ヘアケアなど、ひと通りのコスメを展開しているため、すべてこれで揃えてもいいくらい。

環境保護の観点から容器のリサイクル活動にも取り組んでいる、信念のあるブランドです。価格帯も安く、手を出しやすいです。

Pacifica(パシフィカ)をiHerbで見てみる

» Pacifica(パシフィカ)オフィシャルサイト

e.l.f Cosmetics(エルフ)

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2004年にアメリカ西海岸で誕生したブランド。プチプラコスメながら全商品ヴィーガンであることを徹底し、PeTA認証を取得しているだけでなく、PeTAのファーフリーサポーターとしても活動しています。

企業としてクルエルティフリーやソーシャルグッドの姿勢を貫いており、東日本大震災への寄付や、乳がん支援基金への寄付などもしている。応援したくなるブランドですね。

ヴィーガンなだけでなく、身体に悪影響を与える化学成分を一切使っていません。なのにコスパがかなり素晴らしく、こんなに安くていいの?という商品ばかりです。

e.l.f Cosmetics(エルフ)をiHerbで見てみる

» e.l.f Cosmetics(エルフ)オフィシャルサイト

Hurraw! Balm(ハーロウ!バーム)

アメリカモンタナ州の小さな街から生まれた、リップバームのブランド。コスメブランドという感じではないのですが、大好きなので紹介します。

1本500円程度で買えるリップバームなのですが、なんと種類がかなり豊富。お菓子かと思うくらいフレーバーがあり、すべて純粋なオーガニック原料だけで作られています。

100%ナチュラル素材、100%ヴィーガン、100%フェアトレード。原料となるフルーツなどの生産農家も含めて、生産工程のすべてでクルエルティフリーを徹底しています。もちろん、化学薬品や合成香料・着色料なども不使用。

もう何年もこれを使っていますが、フレーバーが無限にあるので他のブランドに移る余地がありません。

Hurraw! Balm(ハーロウ!バーム)をiHerbで見てみる

» Hurraw! Balm(ハーロウ!バーム)オフィシャルサイト

ヴィーガンコスメは日本でもスタンダードになるかも

ヴィーガンコスメの市場はまだ世界でもはじまったばかり。環境や社会問題に敏感な人から、どんどん取り入れはじめています。

日本でも女優さんやモデルさんなどが食生活面でのヴィーガンを公言するケースが増えているので、これからコスメやライフスタイルブランドなども、認知が高まっていくかもしれません。

国産ヴィーガンコスメはやはり製造にこだわっているだけあって良いお値段がしてしまうのですが、どういう理由か、iHerbで買えるヴィーガンコスメブランドはやたら安いです。「自分の肌にあうのかな?」と心配な人は、ちょっとしたものから徐々に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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おわり。

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