テ レ ビ 取 材 さ れ た い ! !
こう思って、【取材されたい】【取材 受けるには】といったキーワードでググる人が一定数いるようです。このブログにそういった流入があるようなので、改めて書きます。
- ベンチャー企業の社長や広報さん
- 個人経営の飲食店やショップのオーナー
- 有名人になりたい何かの専門家さん
など、自分自身や自分のビジネスをより広く知ってもらうために、「テレビに出ること」をひとつの目標とする人は多いです。
「テレビに取材してもらうには何か裏ルートや裏技があるのかな?」
と思うかもしれませんが、そういうものはほぼありません。
メディアに出すことをひとつの活動とするPRの仕事をやってきた経験をもとに、ド素人さん向けに構造や方法を解説します。けっこう地道ですよ……
Contents
なんだかんだテレビ取材の効果は凄まじい
私はPRの仕事をしてきてこれまでに数十件ほどのテレビ取材をアレンジしたことがありますが、やっぱりテレビに出る効果は凄まじいです。たとえばこんな感じ。
- 飲食店にて、テレビ放送直後から長蛇の列ができた
- ショップにて、テレビ放送日の売上が通常時の2.5倍に
- IT企業にて、テレビ放送翌日に問い合わせ電話でCSがパンク
すべて私自身が経験した実話です。
そして、取材は連鎖を生みます。テレビ1本をきっかけに、また次のテレビ取材の依頼が来たり。WEBメディアに出ても正直何も変わらなかったりしますが、テレビは影響力が桁違い。
視聴率1%でも数万人のひとが見ているということですからね……。
テレビは取材先をこうやって決めている
テレビ局が取材するネタを決めるときは、企業から配信されるプレスリリースや、各所から持ち込まれる情報を元にしています。
たとえばプレスリリースは下記のような流れで番組になっていきます。
- FAXでテレビ局内に届く
- 2秒くらい見て、仕分けBOXに分類する
- そこで価値がないと判断されればおしまい
- 価値があるかもしれない情報は、BOXで機会を待つ
- ディレクターの目に留まれば企画が進む可能性アリ
テレビ局には1日に数百枚のプレスリリースが届くので、全部を読むのは不可能です。タイトルや画像だけさっと見て、そこで面白くなければゴミ箱行きです。
読んでもらえるプレスリリースの書き方はこちらの記事をどうぞ。
プレスリリースよりも協力な情報源が、企業広報やPR会社が持ち込む「企画ネタ」です。きちんと企画書の体裁にまとめ、しっかりその番組向けに作り込んだものを売り込みにいくのです。これは素人がいきなりやるのは難しいですね。。
そして、プレスリリースや企画書で「いいかもね!」となった情報は、取材するネタを決める企画会議にまわります。(※速報ニュース系ではなく、じっくり取材する企画系の場合)
この会議では番組のプロデューサーやディレクターが集まって、それぞれの持ち寄った企画を取捨選択&ブラッシュアップしていきます。もちろんネタは平等に見られるのですが、どのディレクターがどんなふうにプレゼンするかにわりと委ねられていることは想像に難くないですね。
もちろんコネだけの世界ではありませんが、いつもヒットを出したりオリジナリティのある企画を提案したりするディレクターというのはいるので、「誰に情報を持ち込むか」の段階からけっこう勝負は始まっていたりします。
テレビの人はネットもめちゃくちゃ見ている
それから、最近のテレビの人はネットもかなり見ています。
Twitterなんかはトレンドの宝庫なので張り付いているし、Google検索もしてWEBメディアもよく見ています。情報番組やワイドショーで「ネットで今話題!」という紹介があることからもわかりますね。
そのため、ネットで目立つこともまずは重要。まったく無名の状態からいきなりテレビを狙うよりも、小さなWEBメディアから出していったほうが近道です。
最近は、ネットに全く情報がない=信憑性が低いとみなされることもあったりします。テレビ番組のなかでも特に一般企業が露出しやすい情報番組系では、
【速報性、特ダネ、正確性】<<<【視聴率や面白さ】
という優先順位になっているので、ネットでバズり済みくらいのほうがむしろ良かったりするのです。
ただしテクニックはある。PR会社という存在
こういう戦略を企画実行したりするために「PR会社」というものがあります。
PR会社はテレビ露出の価値を示す指標として「広告換算値」を使うのですが、それによると1分のテレビ露出が100〜200万の換算になったりします。「テレビ取材を受けたいな〜!」と気軽に思っているかもしれないけど、成功報酬型でPR会社に依頼すればこれだけかかるものという前提理解はあったほうがいいかと。
本気でテレビに出たくてお金もある人は、数百万ほどかけてPR会社に依頼します。もちろん「メディア」なので自由にコントロールはできませんが、情報もルートも企画力ももっているPR会社はその確率を高めるためのテクニックはもっているのです。
けっこうハードなのがおわかりいただけたでしょうか?とはいえ、「テレビ取材されたい!」という夢は努力で叶うものでもあります。
けっこう難しいけど、テレビに「取材される」かどうかは皆平等!
そんなわけで難しいことなのは事実ですが、チャンスは皆平等です。
コネを使ってるんじゃないか?とも思う人もいるかもですが、さすがに日本のメディアはそこまで落ちてないです。ちゃんと情報を吟味して平等に決めていて、賄賂とかも(ほぼ)ありません。
「ルートがあることで情報がより届きやすい」という事実はたしかにあるので、日頃から地道な関係構築をしていくことが大事です。情報の価値って絶対的数値で図れるものではないので、、、決済者をその気にさせるというのも、能力のうちですよね。
対面のアプローチをしなくても、情報開発力だけで取材につなげることもできます。
たとえば私は無名の企業や新規オープン店などをテレビに取り上げてもらったことが何度かありますが、そのためにやったことは「企画売り込み」ではなく「情報づくり」でした。。
時間はかかりますが、テレビの目に留まるように一見関係なさそうなステークホルダーを巻き込み、あらゆる情報流通経路をコントロールして気づいてもらう方法です。
そういうこともできたりするので、PRパーソンの力を借りましょう。テレビ取材の夢が叶うことを願います!
▼読んでもらえるプレスリリースの書き方はこちら
【これが基本】読んでもらえるプレスリリースの書き方
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スタートアップのためのプレスリリースマニュアル【書き方の10のコツ】
▼PR広報は本で勉強するのがおすすめです
おわり。