飲食店のテレビ取材について、以前「リスクもある」という話を書きました。
飲食店やカフェ(特に小さな)にテレビ取材が入った場合、浮かれて受けると逆にダメージ食らうかもよ、、という話です。
お客さんが増えて大繁盛店になれるー!というメリットだけでなく、いろいろなリスクも付いてきます。
今回の記事では、じゃあそうならないためにどうやって判断したらいいのよ?ということを説明します。
Contents
二つ返事で受ける前に、企画書を見よう。
番組の取材企画書とは?
テレビ取材の依頼が入る場合、まずはお店に制作スタッフから電話があります。
そこで簡単に概要を聞いてしまいつつ、検討する余地があると思ったら企画書を送ってほしいと頼みましょう。(頼まなくても、ほとんどの場合は送ってくれます)
ここでいう企画書とは、1〜2枚の紙に簡単に概要がまとまっているもの。再現すると、以下のようなイメージです。※仮の企画です
■番組名:めざましテレビ
■コーナー:イマドキ!
■企画概要:夏のひんやりメニュー特集
■タレント:女性アナウンサー1名がレポート
■放送予定日:8月8日(火)
■取材時間:8月2日(水)14時〜、1時間程度
■撮影内容:外観、内観、ひんやりメニュー1品(試食レポート、物撮り)
実際の企画書は文章体でまとめられていますが、ポイントを抜き出すとこんな感じ。
こういうシンプルな鉄板企画だけでなく、「お店のメニューを2品つかって、食材を当てる対決をしたい」とか、「お店で出しているメニューをスタジオで再現してほしい」とか、まあいろんなパターンがあります。
それぞれの項目で気をつけるべきポイントを見ていきます。
企画書の読み取り方
1. 番組名
どんな番組か。知らなかったら調べましょう。朝・昼・夕帯の情報番組ならOKですが、バラエティや特番は要注意です。※理由後述
2. コーナー
めざましなら「イマドキ!」、ZIP!なら「BOOMERS」など、コーナーがあります。知らなかったら調べましょう。
3. 企画概要
コーナーのなかで今回の企画は何なのか。
「ひんやりスイーツ」「グルメバーガー」のような定番企画ならいいですが、ちょっと変わった企画のこともあります。
自分の店が企画内容に合っているのか、ネガティブに伝わらないか、具体的に放送をイメージし懸念点があれば聞いてみましょう。
4. タレント
タレントが入るのかどうか。これによって、当日の大変さも放送後のインパクトも全然違います。
飲食店取材では芸人さんやタレントさんが多いですが、騒動になるレベルの有名俳優さんなどの場合は気をつけて。「○○さん来るんだ!会いたい!」と安易に判断すると大変な目にあいます、、
5. 放送予定日
放送されると、当日に放送直後から混み始めることもあります。その日の店舗はどんな様子か?スタッフの数は足りているか?がポイント。
6. 取材時間
営業時間外だと嬉しいですが、必ずそうとも限りません。交渉の余地があれば、ランチやディナーの混雑ピークにかぶらないようにお願いしてみましょう。
7. 撮影内容
どんな内容の撮影をするのか、具体的にイメージできるように。特に、スタッフがカメラに映るかどうかは要確認。何を用意しておけばいいか明確にしましょう。
企画書によっては書かれていない項目もあります。撮影の様子と放送される映像をイメージして、気になるところがあれば電話してきた担当者に聞けば教えてくれます。
バラエティ、特番は要注意
バラエティ番組や季節特番の取材依頼だった場合は、ちょっと注意です。
こういった番組では純粋な「グルメ取材」としてではなく、ただ「ロケ地として」お店を使わせてほしいということが多いからです。
実は、ロケ地は断られる可能性が高いことを番組側も知っているので、あえて企画書ではぼかしてあることも。そして何店舗も同時に依頼をかけています。
店舗名がちょろっと出るだけで、お店の良さがまったく伝わらない放送内容になる可能性があるので、お店の基本情報(店名や場所)がどのくらい出るのか、メニュー紹介はあるのかということは確認しておきましょう。
バラエティ撮影は、めっちゃ大変です。。その理由の大半は、タレントがたくさん来るから。「タレントが来る=関係者が多い=いろいろ伝わってない」という感じで、現場で揉めるor店側が無理をさせられる確率が数倍UPです。
大変な思いをして撮影に応じる価値があるのか、よく考えて判断したほうがよいです。
撮影にかかる料金は頂いてOK
こういったロケ地としての場所貸しのときには、「営業補填料」や「場所代」という名目で、いくらか請求することも可能です。
- 営業補填料
撮影のために営業をストップする必要があるとき、その時間に通常通りお店を開けていたとしたら入るであろう売上分くらいを実費で請求するのがふつうです。 - 場所代
これはほとんど言い値です。対応するスタッフの人件費やお店側の負担を考えて、店舗側で決めてしまって大丈夫です。
テレビはお金ありますからね……いい場所を押さえるためには、数万円くらいはポイッと出してくれたりします(グレーゾーン)
企画書に書いていないこと
タレントは誰が来るか
タレントが入るか/入らないかは企画内容から判断できますが、それが誰なのかは書いていないこともあります。
実際に当日まで決まらないということもあったり、単にあまり公にしたくなかったり。取材先の飲食店は、テレビ関係者からしたら一般人でしかありません。お店の担当者が口が軽すぎて「○日にうちの店に女優の○○来るよ!撮影で!」なんて言いふらされたら大問題です。
電話で担当者にそれとなーくヒアリングしてみましょう。
こんな感じで、流れで聞けばけっこうサクッと教えてくれますよ。
並びで紹介される店舗
1店舗だけ紹介されることは少なくて、だいたいひとつの特集で2〜3店舗が順番に紹介されます。
他にはどこが取材候補なのか?競合のお店が出るんだったら、ちょっと考えちゃいますよね。これもそれとなーくヒアリングしてみましょう。
簡単に教えてくれるはず。
担当者が信用できるかどうか
電話をかけてきてくれるのはたいていADさん。申し訳ないけど、たまに危なっかしい人がいます。。
取材調整段階から撮影後まで、「ここは絶対撮らないで」とか「こういうテロップの出し方はしないでね」とか、最低限抑えてほしい注意点も含めてすべてこの人を通して伝えることになります。
万が一担当者さんの連絡ミスで、全国放送で間違った情報や誇張表現が流れてしまったら大損害に……。
連絡を取り合うなかで、「この人ちょっと怖いな、大丈夫かな」と思ったら上のディレクターなどを出してもらうとか、あまりにも心配な対応をされたら断るのも手かもしれません。
それでも取材を受けるべきかわからなかったら?
番組、コーナー、企画内容、時間帯、取材内容を見れば、それがどんなO.A.になるかはだいたい読めます。反響は正確には読めませんが、なんとなく予想することはできるはずです。
せっかくのチャンス、いいものになるといいですね!
取材当日に気をつけることはこちらもどうぞ。
テレビ取材されたい!という方は、こちらへ。
おわり。