とある経営者の方に、こんなことを言われました。
「企業の広報とかPR会社の人って、女性が多くないですか?あれってなんでなんですかね?」
私はずーっとPRや広報の仕事をしてきていますが、たしかに同業者は女性比率が高いです。広報PRは「女性が多い職種」として有名なんですよね。
今回は自分の経験をもとに、その理由や背景をシェアします。
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広報PRに女性が多いのは本当です
事実として、たしかに広報PRは女性の方が多いです。
- PR会社で働いていたときは全体の6割が女性だった
- 広報交流会は女性だらけのパーティー
- フリーランスPRの先輩も女性ばかり
など、自分の経験からも思います。
PR会社の女性比率は一般的な企業に比べればかなり多いですね。余談ですが、私は女性だらけの部署に配属されたので、直属の上司も上長も女性。オンナだらけの世界ならではのコミュニケーションについていくのに苦労しました。
フリーになってからは広報交流会やPRの勉強会などに何度か参加してみましたが、本当に女性ばかりですね。しかもなぜか、かわいい子・美人さんが多いです。不思議ですねえ。
もちろん男性広報もいるのですが、どちらかというと男性は「広報室長」とかに多いイメージ。PR会社では営業職やコンサルタント職をやっていたりします。
「秘書」にも近い?昔ながらの性別観
その理由のひとつには、残念ながら「人前に出る仕事だし女性のほうが見た目的にいいでしょ」というような、昭和的価値観もないとはいえません。
テレビや新聞社で決定権をもっている人はまだまだ男性が多いので、若くて華やかな女性が「企業の顔」として行ったほうが、反応がよかったりしますよね。
企業のトップや役員陣と密にコミュニケーションをとっていく立場という意味では「秘書」にも近いところがあり、一歩下がって男性を立てる的なポジションが求められることも。
- 美人広報:その名のとおり見た目がいい企業広報。美人で話題になればその会社の知名度も上がる…?
- キラキラ広報:プライベートも仕事も楽しみ、キラキラしている女性広報をすこし揶揄した言葉
のようなワードも生まれました。
顔とかキラキラ感じゃなくて仕事で見られる世界になってほしいですけどね笑
それでもやっぱり広報PRに女性が多いのには、大きくわけて、
- 業務への適正の面
- 働き方やキャリアの面
のふたつの側面で、それなりに理由があると思います。
①広報業務は“女性脳”のほうが向いているのは事実
必ずしも戸籍上の性別が女性でなくてもいいのですが、「女性的な感覚」や「女性脳」は広報PRの仕事をするうえではプラスに働きます。
脳の仕組みはどうしても生物学的に男女で違うので、これは性差別とは別問題です。
もちろん女性らしい感覚がわかる男性もいるし、わからない女性もいます。一概には言えないですが、以下のような意味で「女性脳」が役立ちます。
細やかな気配りが求められる
広報の仕事は、メディアをはじめとした各ステークホルダーと細やかにコミュニケーションをとっていく仕事です。
「売上を上げるぞ!」というよりも、「自社のことを好きになってもらおう」みたいな考え方がベースになって進むので、女性のほうが適正がある人が多いです。
これは、
- オス:狩りや狩猟を全力でがんばって生き残るために戦う
- メス:子どもと家庭を守り、気を配って優しく包み込む
みたいな原始時代からインプットされてきた人間の本能なので仕方ない。まあ現代に適用できるかは疑問ですけどね。
「数字」よりも「共感」が大事
広報PRの業務はKPI(数値指標)の設定が難しい。
これは、業界でよく言われていることです。人々がどれだけ自社によいイメージを持っているか、好感を抱いてくれているかという部分がゴールになるので、数字だけで語れないところがあるのです。
「感情」を動かし「共感」を生み出すことが仕事なので、目先の利益だけを追いかけても長期的にはあまりよくない。
一方で、男性には数字でロジカルに見たい人が多いですね。(あくまで一般的に)
営業やマーケティング、エンジニアなどは、わりと数字とロジックの世界です。経営もそう。そういう職種の人のなかには、なかなか「広報」の意味や役割が理解できない人もいます。
逆に文系・感覚型・右脳派・エモーショナルタイプの女性は、ハマりやすい人が多いんだと思います。
世の中の消費は女性が握っている
やはり広報PRは、一般のユーザーや消費者をターゲットとすることが多いです。
そして現実的に、
世の中にある消費財の8割は、女性が購買決定権を握っている
という事実があります。子どもの持ち物はママが買い揃えることが多いし、日本のサラリーマン男性の多くは奥さんからのお小遣い制で生きていますね。
少し考えればわかりますが、ほとんどの消費は女性が主体となって行われる。
だったら、その感覚により近い属性にいる「女性」がPR担当として活躍するのは当然かもしれません。
「女性」と一口に言ってもいろいろな属性の人がいるので、これも人それぞれではあるんですけどね。(私はあまり女性っぽい商品のことわからないし…)
②出産・子育てしても続けられ、働き方も女性向き
もうひとつ大きな理由に「働き方」があります。
女性は、結婚・妊娠・出産・子育てと変わっていくライフステージにあわせて仕事を考える人が多いはず。人生を長期的に計画するうえで、広報PRを選ぶのはとっても賢い選択です。
広報PR職はかなりの売り手市場
広報PR職は「手に職系」といわれ、特定のスキルをもっているワーカーとみなされます。PRプランナーという資格もあるくらいだし、専門職なのです。
そのわりに(だからこそ?)、常に人手不足……。
2019年現在、特にベンチャー・スタートアップ企業などはどこも「広報PRのフルタイム社員」を探していますが、なかなか採用できていない現実があります。
だからフリーランスの人が引っ張りだこになっていたりする。
産休などで一度会社を離れたとしても復帰は歓迎されるし、転職もしやすいです。ニーズがいろんなところにある、とてもおいしい職種です!
在宅・リモートでも働きやすい
広報PRは「プレスリリースを書く仕事」くらいの認識かもしれませんが、そんなことはありません。
メディアの人と会ったり、取材対応に行ったり、他の企業と打合せをしたり……。
事業会社の広報にしても、PR会社にしても、外に出る機会は多いです。逆にいうと、オフィスにいなければできない業務はわりと少ない。
だから、都合に合わせて在宅で仕事をしたり、打合せ先に直行直帰したりという調整ができます。柔軟にスケジュールが組めるので、働くママには嬉しいのです。
フリーランスとして独立や、起業もしやすい
さらに、属人性が高い仕事なので、スキルをつければフリーランスにもなりやすい。フリーランスの延長線上で小さな会社を立ち上げる人もいます。
私のまわりでは、若い頃はPR会社に勤めていたけど忙しすぎるので30歳前後でやめ、フリーでマイペースに仕事を続けている女性も多いです。ママフリーランスの人もたくさんいます。
デキる女性はけっこう人生設計も計算高いので、若いうちからこういうキャリアステップも視野に入れて、あえて広報PR職を選んでいたりするんですよねえ。
みなさん戦略家すぎます。
広報PRは、男性でももちろん活躍できる仕事です
と、いろいろ書いてきましたが、あくまで「女性のほうが割合的にそういう人が多い」というだけ。
そう考えると、本当に「一概に言えない」に尽きるのですが。
PRプランナーの資格取得者が集まる会合などにも行ったことがあるのですが、堅めの大企業や行政関係に「男性広報」は多いような気がしますね。
中小〜ベンチャー民間企業には男性広報はそんなに多くはないので、けっこうコミュニティ化している印象があります。「広報男子会」のようなものもあったかと。
なんだかんだ同性同士のほうがわかりあえることもあるので、仲良くしてみると情報も得られていいかも!
男性にしても女性にしても、広報PRにいちばん必要な力は、
「自分と異なる性別・属性・社会的立場・価値観をもつ人の気持ちを推し量れること」
かなーと思いますよ。以上、広報PRにはなぜ女性が多いのか?でした。
おわり。