どこの業界にも独特な「業界用語」ってありますよね。
広告・PR業界に4年ほど身を置いて、「これって業界用語だよね」と思っている言葉を集めました。
タイトルでは「広告業界用語」としましたが、「IT業界用語」かもしれないし「ビジネス用語」かもしれません。それはみんな当たり前に使うでしょ、って言葉もあるかも。。
方言と一緒で、内部にいるとどれが普通でどれが特殊なのかわからなくなってきませんか?主観も入っていると思いますが、ご覧ください〜。バンバンいきます。
※記事内の登場人物は仮名です
ミーティング系
オリエン
オリエンテーション。
新しいプロジェクトについてクライアントから説明を受けるときに使う。社内でも案件がスタートするときに上司から現場へ行われる。
すり合わせ
ある案件や議題について、お互いの認識に食い違いがないか、方向が合っているかなど、ざっくばらんに話して確認すること。
ややこしくなってきたとき→「ちょっと一回すり合わせしよっか」
※ちなみにググると以下のように出る。
ガラスや陶器などで作られた2つの器具の部品が密着するように材質を摺って作られた接合面のこと
〜ベースで
説明できない…。
「正直ベースでいいんで、どう思います?」
「企画ベースですが、こういう感じになりそうです」
宿題
ミーティングの結果発生した、タスクのこと。
なかなか終わりが見えないミーティングは、「じゃあそれは宿題ということで」と言って逃げる。
ペライチ
1枚の紙でまとめた資料のこと。
打合せ直前に慌てて作ったものとほぼ同義であることも多い。
「ペライチでいいから用意しとこっか」
ジャストアイデア
その場でパッと出ただけのアイデア。
この言い方で切り出された案の実現性はたいてい低い。
「ジャストアイデアなんですけど…」
マストで
必須で。発音は「マス↑ト↑」
「じゃあここの確認はマストでするとして…」
ブレスト
ブレインストーミング。
とにかくブレストしたがりの人が多いけど、アジェンダを考えるのが面倒なだけな気もする。
「とりあえず、ブレストしましょう!」
刺さる
アイデアや企画などが、相手に上手く興味を持たれること。
「あの企画、園田さんには刺さってたよ」
着地
最終的な落としどころ。
「(企画の方向性を口頭でまとめたあとに)じゃあ着地そんな感じで進められればと!」
コミュニケーション系
それでいうと
話を切り出すときにとりあえず付けておけばOK。とくに意味はない。
「それでいうと、落合さんアグリーは取れてるらしいです」
温度感
言葉では伝えられない、反応などの感触のこと。
発音は「おん↑ど↑かん↑」
「清水さんの温度感的には、このやり方はNGっぽいんだよね」
いまいま
より力強く、「今」のこと。
「いまいま厳しいんですけど、来週くらいなら…」
ほぼほぼ
より力強く、「ほぼ」のこと。
ほぼほぼOKだと思うけど、ここだけ直してもらえる?
ボールを投げる
何かの議題やタスク、判断などを、相手に渡すこと。
タスクが自分にある状態のことは「ボールを持っている」と言う。連絡を取り合ってタスクが移動している状態のことは「キャッチボール」と言う。
上司「例の件、今どんな状況?」
部下『一応A社にボールは投げてるんですけど、、待ちですね』上司「あの件って今だれがボール持ってんの?」
部下『A社の小池さんですね。昨日確認のメール投げたんで』
○○さんマター
決定権や判断権が○○さんにあること。「問題」の意味のmatter。責任逃れをするときにもよく使われる。
「その件は竹内さんマターでいいんですよね?」
トンマナ
トーン&マナー。
元はデザイン用語で、雰囲気やコンセプト、色使いなどをに一貫性をもたせること。
業界人はデザイン以外のあらゆる場面で、トンマナ合わせたがる。「トンマナ考えて」は「空気読め」に近い。
メールは見れますので
終日イベントのなどで外出が続く前や、有休を取る日の前に使う。「電話してくんなよ?」の意。
10/2〜6は海外におりますが、メールは見れますので何かあればご連絡ください。
一瞬いいですか?
絶対に一瞬では済まない。正味30分。
今話しかけていいですか?
聞いた時点で話しかけているけど、「長くなるけどいいですか?」の意が含まれている。
担当者レベルはOK
上には確認取れてないけど、現場の感触はいいかんじ。
上司「この前の提案どうだった?」
部下『担当者レベルではOKだと思うんですけどね』
もろもろ
気にすべきことが多くて、何が何だかわからないときに使う。
「もろもろありがとうございました!」
「メール件名:XXXキャンペーンについてもろもろの確認」
なるほどですね
なるほどの敬語。
ヒキある
興味を持たれている。
「そのネタはヒキあると思うから、提案してみよう」
刈り取る
あやふやなままになっていた案件について、再度電話するなどして決断を急がせること。
巻き取る
あとはコチラ側で対応しますよ、の意。
なかなか決まらないときや、同僚が手一杯で進んでいないときに「あとこっちで巻き取るよ」と言って助ける。
ネゴる
交渉する。「negotiation(ネゴシエーション)=交渉」から。
「あーなるほど。。ちょっと上司にネゴってみますのでお待ち下さい!」
戻し
原稿などに修正が入って戻ってくること。
※「戻り」は会社に誰かが戻ってくる時間のことなので注意
FB
フィードバック。Facebookではない。
スケジュール系
テッペン
深夜0時のこと。
残業しすぎると「昨日テッペン超えちゃったよ〜」と言いますが、自慢できるうちはまだ元気。
パツってる
スケジュールに余裕がないこと。「その日はパツパツで…」とも言う。常にパツってる人というのが1部署に1人はいる。
FIX(仮FIX、fix2/fix+)
資料や企画書などが完成して固まること。
仮FIXという固まったのか固まってないのかわからない状態もある。
フォルダ内の資料名が「fix2…fix+,fix++…」と増えていくあたりに闇を感じる。
走ってる
企画やスケジュールなどが進行していること。
「あの件はもう走ってるので…」「走らせちゃってください!」など。
仮確(かりかく)
スケジュールが仮確定。仮確がバッティングすると部下が調整するハメになる。
GW進行・お盆進行・年末進行
新聞や雑誌など、長期休暇のまえに休暇中分の記事まで進めておく、前倒しスケジュールのこと。通常より早め早めの行動が必要。
今日中
明日の始業時間まで。
週明け
来週の水曜日午前中くらいまで。
朝イチ・午後イチ
朝イチは11時まで、午後イチは14時まで。広告業界の時間は基本後ろ倒し。
その他思いつき
アゴアシ/アゴアシマクラ
顎=食費、足=交通費、枕=宿泊費のこと。
取材やロケなどで、それらの費用を負担するときに使う。マクラまでは出せないケースが多い。
「今回はアゴアシ付きでお願いしたいと思ってます」
露出
メディアに情報が掲載されること。
「露出取れてますね」など。怪しい意味ではない。
カンヌ
広告業界人にとっては、カンヌ=カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルのこと。毎年6月にフランスのカンヌで開催される広告賞。
映画祭ではない。
完パケ
映像などが、編集作業が終わって放送できる状態に仕上がること。完全パッケージの略だと知らない人のほうが多い。
「完パケる」と動詞としても使える。
ティザー
あえて部分的に出して期待感を煽る広告手法のこと。
ティザーCM、ティザー広告などがある。
ロケハン
ロケーション・ハンティングのこと。
テレビだけでなく、イベントなどの会場下見のこともロケハンということがある。
抜け
カメラで撮ったときの背景のこと。
「ここだと抜けが悪いから移動しよっか…」と言ってタレントを動かす。
画(え)
映像化したときの映り方のこと。
テレビに取材されたかったら、画を用意するのは必須。
映像として撮って面白いコンテンツを用意することを「画作り」、面白いコンテンツそのものを指して「画映えする」などという。
撮れ高
カメラで撮ったなかから、実際に放送に使えそうな部分のボリュームを表す尺度。「撮れ高いいかんじネ」など。
……疲れた。
自分が忘れないためにも、書きました。
業界にどっぷり浸かっていないと、聞く機会も減りますからね、、最後ちょっとテレビ感が出てるけど、テレビ業界用語も別途まとめようかな。
「広告」業界も知りつつも私がやっているのは「PR」なので、こちらの記事もどうぞ。
おわり!
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