取材対象者にマスコミが群がってインタビューをするシーン、テレビでよく見ますよね。
聞いたことがあるかもしれませんが、こういった形式の取材は「囲み取材」や「ぶら下がり取材」という呼ばれ方をしています。
この2つの違いはなんなんでしょうか。
「囲み取材」や「ぶら下がり取材」は政治やスポーツのニュースだけでなく、実は企業の記者会見やPRイベントでも行われています。
この違いやそれぞれの特徴をまとめます。
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対象者が止まっているのが「囲み取材」
「囲み取材」とは、文字通りマスコミが取材対象者を取り囲んで行う取材のこと。
政治家の顔にマイクやボイスレコーダーがたくさん伸びているシーンを見たことがあると思います。あのマスコミたちは、大手のテレビや新聞の人たちですね。
スポーツでも、試合のあとなどに選手がたくさんの報道陣からの質問に答えています。
このように、ぐるっと囲んで複数の人から質問が飛んできます。「囲み取材」では、取材対象者は立ち止まってそれに応じます。
対象者が動いているのが「ぶら下がり取材」
一方「ぶら下がり取材」とは、囲んでいるというよりも取材対象者にマスコミたちがぶら下がっている状態。
政治家が国会から出てきたところや廊下を歩いているところをマスコミたちが追いかけて、歩きながらマイクを向けているシーンを見ると思います。
スポーツシーンでも、選手が次の会場や控室に移動しているときを狙って、マスコミが後を追いながら「今シーズン調子はどうですか!」と聞いたりすることがあります。
あまり多くはありませんが、あれも広い意味ではぶら下がり。
このように、取材対象者が移動しているのが「ぶら下がり取材」です。
「ぶら下がり取材に応じる」とは
きちんとセッティングされる「囲み取材」と違い、突撃で行う「ぶら下がり取材」は拒否されることもあります。
答えてくれなかったり、言葉を発さないまま車に乗り込んだり……。
拒否する理由としては、
- ただ単に多忙な場合
- 渦中にあり答えにくい場合
の2パターンが考えられます。マスコミたちは特ダネを取ろうと、行動パターンを把握して張っているのです……。
マスコミ側も、本当はそんな取材の仕方をしたいわけではありません。ですが、他の番組や新聞が張り込んでいるのに自分たちだけ行っていないと、「特オチ」になってしまうリスクがあります。
だからとりあえず一緒にぶら下がっておくか……という、マスコミ業界の風習があるんですねー。
逆に、自ら立ち止まって「ぶら下がりに応じてくれる」人もいます。「ぶら下がり取材」だったのがいつの間にか「囲み取材」になっている、ということもあり、その区別はあいまいです。
「囲み」か「ぶら下がり」かは、取材を受ける意思の度合い?
取材対象者が止まっているか動いているか……だけだと、「囲み取材」と「ぶら下がり取材」の境目はあってないようなものです。
結局のところ何が違うの?と聞かれたら、「取材を受ける意思の度合い」かなと思います。
「囲み取材」はきちんと場所を設けて、時間も決めて行われることが多いです。しっかり取材を受ける前提で、予定として組まれます。
一方で「ぶら下がり取材」はだいたいゲリラ的なので、予め予定されたものではありません。取材を受けようと思ってその場にいるわけではないケースが多いです。
この意思の度合いが「囲み取材」と「ぶら下がり取材」をわけていると個人的には思います。
記者会見やPRイベントの「囲み取材」
企業の記者会見やPRイベントでも「囲み取材」は用意されます。
特にタレントが出演するイベントの場合は、事前にマスコミたちに「このイベントは囲み取材があります!」とアナウンスされています。
逆に囲み取材がないと、取材にくるメディアにとっては価値半減ですよね。「囲み取材」があるかないかは、取材するかどうかの決め手になるくらい重要です。
朝の情報番組などで、PRイベントでタレントがしゃべっている姿をよく見ると思いますが、あれが「囲み取材」の結果うまれるメディア露出です。
ちなみに、記者会見やPRイベントの場合は、カメラには対象者だけが映るように数メートル引いたところマイクを伸ばして行われます。
まとめ:「囲み取材」と「ぶら下がり取材」の違いでした
以上、「囲み取材」と「ぶら下がり取材」の違いをまとめました。
取材にもいろいろですね……。
ちなみに「ぶら下がり取材」には、過去に拒否や廃止をめぐっていろいろと抗争がありました。
とくに政治の世界では、重要な政治家ほどぶら下がりに応じない宣言をしていて、首相などは原則として応じない方針を取っています。
一方それに対してマスコミから「国民への説明責任を果たしていない」「失言を恐れているだけじゃないか」のような批判もあったりして、戦いは終わりません。。
このあたりもちょっと意識してテレビを見てみるのもおすすめです!
おわり。