「キューバは街中でほとんどネット使えないよ。フリーWi-Fiとかも皆無」
こんな話を聞いて怯えているキューバ渡航前の方向けに、2018年現在のキューバのインターネット事情についてお伝えします。
キューバ、本当にインターネットのない国でした。。しかし、まったくないわけではありません。最近は少しづつ普及していて、2018年12月には携帯からの接続解禁のニュースも発表されたばかりです。
※変わりつつあるので、最新情報もあわせてチェックするようにしてください!
Contents
インターネットの規制のある国、キューバ
キューバにインターネットが普及していないのは、国による規制があったためです。
長い間、一部の政府機関や外国企業、外国人が利用するホテルなどに限ってしか利用を認めてきませんでした。
キューバは社会主義国家のため、市場の競争というものがありません。そのためインターネット接続サービスを提供する会社も「国営通信企業ETECSA」1社しかなく、独占状態にあるのです。このETECSAが、ずっと高額で外国人や富裕層だけを対象にインターネットを提供してきました。
政府としては、国民をインターネットから遮断しておいたほうが何かと都合がよいのです。情報を好き放題取れるようになった人間は恐ろしいですからね……。
そんなわけで、現在のキューバもインターネットに接続するのに一苦労です。Googleのエリック・シュミットは、キューバの首都ハバナを2014年に訪れた際、「この場所は1990年代で時が止まっている」と言ったそうです、まさにそんな感じ。
» Cuba’s ‘offline internet’: no access, no power, no problem
とはいえ2015年にアメリカと国交正常化してからは、少しずつネットも普及してきて、一般人も頑張れば使えるようになりました。「新しい情報に触れたい」と思うのはキューバの若者も変わらずで、制限のある環境のなかでなんとかインターネットを楽しんでいます。
インターネットが使えるのはWi-Fiスポットだけ!
インターネットが使えるのは、国が指定したWi-Fiスポットだけ。
- 公園
- 広場
- ホテル
などが主で、ほとんどのスポットが「屋外」にあります。カフェで座ってゆっくりインターネット……という快適な環境はありません。
上の写真は街の中心部にある公園ですが、夜になると若者たちが続々と集まってきます。ここに集まって友達とチャットしたり、ネットで動画を見たりするのが、キューバの若者たちの楽しみ!という感じ。
ホテル前にはこんな感じで座り込んでパソコンをする人も。
あくまでホテルは外国人観光客向けにWi-Fiスポットを解放しているので、電波にありつきたい現地民たちはこうするしかないのです。
ちなみに、ホテルのWi-Fiも当然フリーWi-Fiではありません。スポットに行き、さらにお金を払って通信しています。
私も今回の旅で何度かWi-Fiに接続してみたので、使い方について紹介します。
【Wi-Fiの使い方】ETECSAのWi-Fiカードを購入
Wi-Fiを利用するのに必要なのがこのカード。
国営通信企業ETECSAが販売する、時間制限付きのインターネットカードです。右上に書かれている「1hora」は「1hour」の意味。1枚で1時間使えますよ、ということです。
価格は変わるようですが、2018年11月時点では1枚=1CUC=約100円でした。1時間100円なら、まあ日本人の感覚なら「買うか」ってなりますよね。
裏面はこのようになっていて、「LOGIN」の数字の下の「PASSWORD」がスクラッチになっています。ここを削って12桁の数字を出して、ログイン画面で入力して使います。
ちなみに、強く削りすぎると文字まで削れてしまいます……。私は↑のようになってしまって、100円無駄にしました……。(当然新しいのなんてもらえない)
公園やホテルのほか、CASA(民泊のホステルみたいな家)にもこういうWi-Fiルーターがあったりします。あとは普通にスマホのWi-Fi接続画面を開いて、出てきたログイン画面にIDとPASSを入力するだけ。
その瞬間、カウントダウンが始まります。。時間との戦い!今回は3都市を訪れたので、それぞれ都市ごとの肌感も書いておきます。
ハバナのWi-Fi事情
ハバナの場合、やはり首都だけあって、ホテルや公園などWi-Fiスポットはたくさんあります。カードはホテルのフロントやCASAのオーナーから買うことができます。街中にETECSAのショップもあるので、そこでも。わりと簡単に見つかります。
トリニダードのWi-Fi事情
キューバの古都トリニダードでは、ハバナよりも難しいです。私が止まったCASAにはWi-Fiルーターもカード販売もありませんでした。中央の広場ではおじちゃんがカードを売っていたので、おそらくスポットはその広場くらいなんじゃないかと……。
バラデロのWi-Fi事情
バラデロはビーチリゾートなので、ホテル内は基本的にWi-Fiが通っていて、フロントでカードを購入すれば使えます。連結でまとめ買いしている人もいました。たくさんの人が繋ぐので20〜24時の時間帯や各部屋からだと繋がりづらかったりして、ロビーに言ったほうが確実でした。快適!という感じではありません。
Wi-Fiがなくても十分生きていける
いろいろと説明しましたが、キューバに行ったらインターネットは遮断するのがおすすめです。
こんな光景を目の前にして、スマホばかり見ていては残念です……。そういう国だと割り切って、デジタルデトックスしてみてはどうでしょうか。バラデロのリゾートではスマホをいじっている人がほとんどいなくて、みんな日光浴や読書をして過ごしていました。平和。
とはいえ、「仕事でどうしても…」「家族に心配かけたくない…」という人もいるかと思います。私も1週間の滞在で計4時間くらいはネットに繋ぎました。まあ、これくらいは仕方ないかな。
少ない時間でやり過ごすコツとしては、
- 繋いでいる時間のうちに読み込みまくる
- スクリーンショットをフル活用する
- Google Map上に★を付けまくっておく
などの方法がおすすめ。スクリーンショットがあるだけでだいぶ役立ちますので、出発前に調べたものはいろいろ撮っておきましょう。意外とネットなしでもいけます!
インターネット依存症の人には
それでも、
「いや私は重度のインターネット依存症だからむりだ」
「仕事の都合でネットなしではやっていけない」
という人もいると思うので、そんな方にはモバイルWi-Fiルーターをレンタルしていくのがおすすめかも。レンタルWi-Fiはいくつかの業者がありますが、キューバで対応しているのはグローバルWi-Fiだけみたい!
キューバはこれからどんどんインターネットが入ってくると思いますが、束の間のタイムスリップを楽しみましょう。
▼キューバ渡航の事前準備はこちら
▼ハバナ市内の交通事情をまとめました
おわり。