前から気になりながらも、なかなか手をつけられていなかった固形シャンプーバー。
シャンプーの成分が凝縮されて固形石鹸のようになっていて、ボトルいらずのためゴミも出ないという新しい形です。物心ついた頃から毎日ずっと使ってきたものを変えるって、けっこうエネルギーがいるんですが、思い切って切り替えてみたら「なんでもっと早く切り替えなかったんだ……」となりました。
エコなだけでなく普通に使いやすいので、液体ボトルよりも全然よかった。むしろ今まで液体だった意味がよくわからない。ethique(エティーク)のシャンプー&コンディショナーバーをレビューします。
Contents
固形のシャンプーバーって使いやすいの?
シャンプーバー、数年前から海外発で流行っていて、日本でもエココンシャスな人にはすこしずつ広まりつつあるイメージ。それでも「ボトルに入った液体シャンプー」を使っている人がまだ9割以上だと思います。
私は以前から固形シャンプーバーは気になっていたのですが、なんだか切り替えるところまで行けずにいました。iHerbで買いたいシャンプーがたくさんあったし、それで特に不満がなかったからかな。
固形シャンプーバーは、
- 洗い上がりがキシキシするらしい
- 保管方法が面倒臭そう……
- エコなのはわかるけど割高だよね
というイメージもあったかも。これすべて間違いすぎだったんですけど。実際使ってみたら、もう液体ボトルシャンプーに戻る理由がありませんでした。
ethique(エティーク)のシャンプーバーを買ってみた
購入してみたのは、こちらの「ethique(エティーク)」のシャンプーバーです。こんな小さなサイズで2,000円ほどする……。合わなかったらと思うと躊躇いもあったけど、冒険心が勝ってお店で買いました。
本当に袋とかなく生のまま入ってるんですね!空けたらもう紙に包まれたシャンプーバーが出てきて良い香りがします。
こんな感じ!自分の髪質に合いそうな「ミンタジー」というタイプにしたのですが、色が鮮やかブルーでかわいいです。しかし合成着色料はもちろん不使用で、天然の鉱物から作られた色らしい。
このサイズ感でギュッとシャンプー成分が凝縮されているので、なんと350mlのボトル3本分に相当するんだって。そう考えると、2,000円という価格も全然高くないことにさっそく気づく。
使い方は動画を見るのが早いです!髪に直接こすりつけて、あとは普通にシャンプーするときと同じ。
プラごみゼロ。NZ発の固形シャンプーバー「ethique(エティーク)」とは
「ethique(エティーク)」は2012年に、ブリアン・ウエストというひとりの女性によりニュージーランドで設立されたブランドです。
きっかけはブリアンがまだ女子学生だった頃、海洋汚染や気候変動の問題を知ったこと。マイクロプラスチックを魚などが飲み込み被害を受けていることに心を痛め、プラスチックフリーをテーマに化粧品やソープバーなどを作り始めました。
ニュージーランドやオーストラリアを中心に世界700店舗以上を展開し、海外のセレブや有名女優などの愛用者も多いんです。創業以来プラスチックフリーにこだわり続け、実に400万本以上のプラスチックボトルを削減しています。
日本に上陸したのは2019年。少し裏話ですが、しっかりと輸入代理店が入って運営しているので、日本向けにアレンジされた広告や表現を見かけると思います。日本語ページもある。
「ethique(エティーク)」は、REGENERATION(リジェネレーション)と掲げて以下の5つの社会貢献を実行しています。
- PLASTIC FREE / プラスチック不使用
- CLIMATE POSITIVE / 気候変動へのポジティブインパクト
- DIRECT TRADING / 直接取引、フェアトレード
- PALM OIL FREE / パーム油不使用
- CRUELTY FREE AND VEGAN / クルエルティフリー&ヴィーガン
プラスチックフリーでごみが出ないことは大前提。さらに自分たちのビジネスを通じてカーボン・オフセットをしています。オフィスは100%再生可能エネルギーで運営し、スタッフの飛行機を使う出張時のエネルギーまで考えている。
原料はフェアトレードでダイレクトに調達し、パーム油は不使用です(パーム油問題は奥が深いので調べてね)。そして動物性成分不使用・動物実験なしで、完全ヴィーガンを実現。
突っ込みどころのないこだわりようです。「ethique(エティーク)」の公式サイトから細かく取り組みが見れるので、ぜひ見てみよう。
» ethique(エティーク)英語版公式サイト
» ethique(エティーク)日本語販売ページ
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公式Instagramでは、いろんな髪質のモデルさんを採用していて最高です。ダイバーシティー。
【レビュー】環境や人体にやさしいだけでなく使い心地も素晴らしい
地球環境や人体にやさしいことはわかったけど、使いやすくないと意味ないですね。ここから本題です。
実際に使ってみるとかなり便利で、なんでもっと早く切り替えなかったのかと反省し、シャンプーバー購入の1週間後にはコンディショナーバーと専用コンテナを追加購入していました笑 個人的によいと思った点を紹介します。
髪にこすりつけるだけでOK、よく泡立ち洗い上がりすっきり
髪にこすりつけるだけで簡単だし、しっかり泡立ちました。ノンシリコンでパラベンフリーなので、超くせ毛な私の髪質にも合っていたんだと思います。ミンタジーは頭皮の洗い上がりもすっきりで、毛穴の汚れまできちんと落としてくれている感があります。
「洗い上がりがキシキシする」というのはたしかに感じたけど、コンディショナーをすればまったく問題なしです。シャンプーのみで使うのは厳しいかな。
ボトル取替のストレスから解放される
ごみが出ないのはもちろん嬉しいのですが、ボトルの取り替えに伴う地味なストレスがないことも大きいなと感じました。
ボトルのラベルをはがし、ポンプ部分をひねって使える状態にし、浴室に設置。少なくなったら出づらいポンプを一生懸命押し、水で薄めて最後まで使い切ろうとしたりして(しない?)、完全になくなったらお湯でゆすいでボトルを分解してゴミ箱へ。もしくは詰替用パックを開封して慎重に詰め替え作業。
こういう工程がひとつもいらなくなる。なんなら1個のシャンプーバーで数ヶ月もちそうなので、取り替え自体が年に数回で済みそう。
成分を凝縮しているから、1つで350mlのボトル3本分に相当
でもエコな商品って価格が高いよね……と思っていたのですが、それも誤解でした。成分をギュッと凝縮して固めているから、シャンプーバーひとつで350mlのボトル3本分に相当するらしいんです。ということは、1個2,000円ちょっとだから、ボトル1本に換算すると700円くらいという計算。
え、安くない?パッケージの材料代や製造コストがかかっていないので、たしかに原価が抑えられそう。「この小ささで2,000円か、、」と思ってしまいがちだけど、見るべきはサイズではなかった!
固形が気に入ったのでコンディショナーバーも購入
固形シャンプーバーいいじゃん。と思ったので、コンディショナーバーも購入しました。
日本で販売されているシャンプーバーは5種類ほどありますが、コンディショナーバーは2種類のみです。ちなみに本家のサイトにはもっと種類がありました。
私が購入したコンディショナーバーは「ガーディアン」という緑のタイプ。(髪質に合わせた選び方はこのあとにまとめます)
コンディショナーも包装はまったく一緒なのですが……
サイズが少し薄くて、シャンプーバーよりも固くつるっとしています。
固いから最初はうまく髪全体に行き渡らなかったのですが、それは髪の水気を切りすぎていたからでした。液体コンディショナーの場合と違ってコンディショナーバーは逆に水を必要とするので、ほどよく濡れた状態の髪に使うとうまくいきます。
くせ毛やボリュームなど髪質にあわせたシャンプーバーの選び方
私の髪質は「乾燥毛・ブリーチで傷みもある・広がりやすい・くせ毛・細くて柔らかい」という感じなので、
- シャンプーバー:ミンタジー
- コンディショナーバー:ガーディアン
の組み合わせが我ながらベストチョイスだったと思います。ちゃんと種類があるので、自分の髪質に適したものを選ぶことがかなり大事そうです。
画像出典:話題の固形シャンプー エティーク徹底ガイド!選び方、使い方教えちゃいます|Beautypressman
とても参考になったのが、Beautypressman さんというサイトにあったこちらのチャート!あまりにも参考になったので引用させていただきます。
「この香りがいいのになあ」「この色がかわいいのになあ」という希望があると思いますが、そこはぐっとこらえて成分で選びましょう。(「スパイシーなオレンジ」がすごく気になるけど私の髪に使ったら爆発しそう)
シャンプーバー/コンディショナーバーの保管には専用バンブーコンテナがおすすめ
「ethique(エティーク)」のシャンプーバー / コンディショナーバーの保管については、公式サイトでいくつかの方法が紹介されています。
- 専用ストレージコンテナ
- ラックや石鹸置きを使う
- ソープバッグに入れる
- コースターに乗せる
- 柔らかい布の上に置く
普通の石鹸置きでもダメではないけど、シャワーのお湯がかかると溶けてしまうし、特にシャンプーバーは柔らかくずっしり重いのでネットに入れても食い込んでしまいました。
いろいろ試した結果、結局「ethique(エティーク)」が製造・販売している専用コンテナが最強なことに気づいたので購入しました。
これです。プラスチックのように見えますが、竹の繊維を合成してつくられた生分解性のバンブーコンテナ。コンコンと叩くと竹の筒と同じような質感で、プラよりも高級感があります。コンパクトでかわいいサイズ。
底面は格子状になっていて下に足が付いているので、しっかり通気性が保たれる仕様。蓋があるので水がかからず長持ちします。
このようにシャンプーバーとコンディショナーバーがぴったりと収まります!専用コンテナも2,000円ほどするのですが、このパーフェクトな容器は他では見つからないので、エティーク社さんへの感謝の気持ちとして購入しました。
カラーはいくつかありますが、品薄なので希望の色が手に入らないかもしれないです。私はライラックにしました。棚に置いてみると、シャンプー&コンディショナーがたったこれだけのサイズに収まることに感動です。清潔感を保つためにも、モノの少ないバスルームにしておきたい。
ちなみに旅行やジムなどに持ち運びたいときは、カットしてピルケースなどに入れるのがおすすめ。小さくなってきた破片は普通の石鹸のように合体することもできて無駄がない!
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ethique(エティーク)固形シャンプーバーのデメリットをあげるとすれば……
褒めちぎりすぎてもあれなので、固形シャンプーバーのデメリットもあげておきます。
1. 髪質との相性を間違えると、悲惨かも
まだ1タイプしか使っていないからわかりませんが、自分の髪質に合わないものを買ってしまうと悲惨なのかなと。1個買えば数ヶ月使えてしまうので、我慢してずっと使い続けなければならなくなる。。
2. 来客時に困ることもあるかもしれない
自分が使うぶんには固形でいいけど、お友達などにバスルームを貸すときに、おそらくこれがシャンプー&コンディショナーだとわからず戸惑います。間違って固形石鹸のように使われたりしても困るし、正しい使い方を伝えたとしても、人んちのお風呂で洗う前の髪に直接こするのは気になる人もいそう。来客用にボトルも常備しておく、とかが現実的なのかな?
3. シャンプー&コンディショナーを選ぶ楽しみはなくなる
デメリットなのかわかりませんが、もう私は一生これでいいなと思ったので、人生から新しいシャンプー&コンディショナーを選んだり新商品を試したりする楽しみは消えました笑 まあ毎日使うものは安定が一番、と私は思うけど。新しいもの好きの人間にはちょっとつらいことかも。
まとめ:もはやシャンプーがなぜ液体になったのか知りたい
「ethique(エティーク)」だけでなく、世界で固形のシャンプーバーは増えています。近い将来、ボトル製のシャンプー&コンディショナーはなくなるだろうなと思いました。
ボトルに入った液体シャンプー&コンディショナーの成分の大半は「水」です。重たい水をボトルに入れて、一生懸命いろんな人が運んで私たちのもとにやってくる。でも考えてみると、お風呂場やシャワールームには大量の水がありますよね。それで溶かせばいいだけなのに、なぜ最初から水と混ぜた状態で売ろうと思ったのか、かなり謎。
今までの人生ずっと当たり前だと思って生きてきた常識って、実はおかしなことだらけなんですよね。そういうおかしさに気づくきっかけとしてもおすすめなシャンプーバー&コンディショナーバー。思い切って切り替えて、こちら側の世界で生きていきましょう。
おわり。