どんな仕事にも「つらい」ことはありますが、広報職だとこんな悩みを抱えやすいと思います。
「社内から広報の仕事が理解してもらえない」
「無理な要求をたくさんされてしんどい」
「自分がやっていることが正しいかわからなくてつらい」
これ、全部めちゃくちゃ気持ちわかります。
「向いていないんじゃないか、辞めたほうがいいんじゃないか」と思うかもしれませんが、大丈夫です。これは広報ならけっこうみんながぶち当たる壁なので……。
PR・広報を自分がやったり誰かの相談にのったりしているうちに気づいたことをもとに、そんな人を励ます記事です。
Contents
広報は理解されにくく、正解もわからない職種です
前提として、広報は他職種から理解されにくくて正解もよくわからない仕事です。
不確実性の高さや、業界全体の流動性から、いろいろと議論も生まれやすい業界だったりします。その理由を説明します。
他職種の人には理解しづらい業務内容
「他職種」とざっくり書きましたが、企業のなかでメインファンクションとなる、
営業、マーケター、エンジニア、デザイナー、人事、経理、総務
などを想像してみてください。「営業=サービスや製品を売る」「マーケター=売るための仕組みを作る」と一言で表せるし、エンジニアやデザイナーならその技術によって作られる成果物が目に見えやすいです。
一方で広報業務は多岐に渡るし、わかりやすい成果物もプレスリリースくらいしかない。しかも、エンジニアがいないと製品は作れませんが、広報がいなくても事業は回ります。
必然性・重要性がなかなか伝わらないので、理解してもらうのに時間がかかります。
数字で自分の仕事を見せるのが難しい
広報の業務によるアウトプットは、わかりやすい効果・成果ばかりではありません。
「プレスリリースを書いて出す」などはわかりやすく、その結果のメディア掲載数なども一応数えることはできますが、「企業と社会の関係性」は目に見えるものではありません。数字だけでは成果が判断できないこともたくさんあります。
さらに「長期的な関係づくり」の仕事でもあるので、ある程度の時間(少なくとも3ヶ月以上)をかけないと、変化も起こりづらいのです。
だから最初の「仕込み期間」は、あの人は何をやってるの?的な見られ方をされてつらくなります。
100社あれば100通り。正解は誰にもわからない。
ある程度セオリーがある仕事と違って、広報PRは本当に「ナマモノ」だなあと感じます。
つい最近世の中で注目されていたことが、半年もすれば時代遅れになる。うまくいっている「あの企業」のマネをしても、業種・規模・ステージが違えば、反響もまったく違うものになったりする。
ある程度の基本的なノウハウ、テクニックは本やセミナーで学べますが、先ほども行ったように「関係性」は目に見えないし予測が難しいです。やりながら反応を見て都度考えていかなくてはいけない、かなり柔軟性の必要な仕事です。
100社あれば100通りのやりかたがあり、正解はやりながら見つけていくしかないのです。。
「広報、つらい……」と悩みやすい人の特徴
現役広報の人と話すと、
「楽しくて仕方ない!これは自分の天職だ!」
みたいな人がわりと多いことに気づきます。会社や事業への愛も反映されやすいポジションなので、自分の仕事に誇りをもってやっている人が目立ちます。
以前、広報に向いている人ってどんな人?役割・資質・スキルなどという記事を書きました。
基本的にこの真逆の人はそもそも向いていないと思いますが、いくつかピックアップして「広報がつらいと感じやすい人」の特徴を上げます。
①仕事においては「答え」や「ゴール」がほしい
先ほど書いたように正解がないので、
目指すべき「答え」や「ゴール」が既にあって、それに向かってコツコツ頑張る
みたいなスタイルが好きな人は、つまづいてしまいやすいです。ふわふわした状態も楽しめるように、マインドセットを変えましょう。
②孤独が苦手、プレッシャーのある環境に弱い
広報は華やかな印象があるかもしれませんが、けっこう地道で泥臭く、孤独でプレッシャーの多いポジションです。
大企業でなければ「ひとり広報」ということも多いので、相談できる人がいないですよね……。
最近は広報同士の横のつながりを強化するコミュニティが生まれていたり、勉強会やミートアップが開かれていたりするので、積極的にいってみましょう。
③社交的ではなく、いろんなタイプの人と話すのが疲れる
これはけっこう致命的かも、、
社内・社外問わずいろいろな人と話し、関係性を築いていくことが仕事なので、社交的じゃないとしんどいと思います。
別に「いつも明るいキャラ」とかでなくてもいいので、新しい出会いを楽しもうとしてみるといいと思います。私もパーティーとかは苦手なタイプなので気持ちはわかります。。
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とはいえ「向いてないんだよ」で終わらせたら元も子もないので、ケース別に解決策を提示します。
お悩み別、広報の仕事がつらいときの処方箋
具体的なお悩み別です。あるあるなので、処方箋をどうぞ。
文章を書くのが苦手でつらい
広報は文章を書く機会が多いです。プレスリリースを書く役割もあるし、最近ではオウンドメディアの記事も任されているかもしれません。
正直、文章とは付き合っていくしかないので、乗り越える方法を考えたほうがよいかも。
▼文章の基礎を学ぶのにおすすめの本
✓ ヒント
文章は鍛えるしかない!本を読んだりして、書きながらステップアップしよう!
メディアに邪険にされてつらい
自社のニュースや新商品をメディアに紹介してみるものの、反応が薄い……興味なさそう……対応が怖い……。
などの理由で広報を辞めたくなる人って、実は多いです。でも、これは最初は当たり前。何を言われても別に会社が言われていることであって、あなた自身が言われているわけではないので、強靭なメンタルでいきましょう。
✓ ヒント
最初は誰でもそんなもん。女性誌の編集部怖い……。けど、いい情報を提供すればぜんぜん反応が変わるのでがんばろう。
社内調整が進まなくてつらい
「社内調整」は、実は広報業務のうちかなり重要パートだったりします。
社内にすら協力してもらえないなんて……と自己嫌悪に陥るかもしれませんが、どっちかというと社内のほうが大変&重要。ここが上手くいかないのは、そんなにおかしいことではないと思います。
✓ ヒント
同僚とランチに行ったりするところからはじめ、それも関係構築のうちと思うといいかも。
なかなかメディアに掲載されなくてつらい
メディアに掲載してもらえないと、社内からのプレッシャーも大きくなってストレスかもしれません。
「広報の仕事=メディアに掲載されること」
という固定観念は捨て、大きな目的から逆算してみるとやるべきことが見えるかも。
✓ ヒント
そんな簡単に載ったらPR会社の意味……。思い切って「どうなれば載せてもらえますか?」と逆に聞いてみるのもあり。
トラブル対応が多くてつらい
自分はもっと「攻めの広報」がやりたいのに、実際は炎上案件の火消しやめんどうな案件ばかり。。
ということもありますが、今の会社としての課題がそこにあるなら、まずはそれを広報の力で解決に向かわせるしかないです。今の丁寧な対応が、ゆくゆく思わぬかたちで返ってきます。
✓ ヒント
そもそもトラブルが起きないように広報としてできることはないかな?と、広報戦略に組み込んでみる。
直前にプレスリリース頼まれてつらい
「明日このプレスリリース配信したいんだけど……」
と言われても、、ですよね。悪気はなく単にプレスリリースを1本配信する労力などがわかっていないだけのことも多いです。遠慮せず伝えてみましょう。
✓ ヒント
「プレスリリースは配信までにこんなフローがあります」というマニュアルをぺらっと1枚作り、社内で共有してみる。
ネタが見つからなくてつらい
なかなかニュースにできそうなネタがない……。
というときは、社内ばかり見ていないで社外に目を向けてみるのがおすすめ。他社のプレスリリースを見てみるとか、メディアの人にヒントを求めるとか。
✓ ヒント
どんな企業にも絶対ネタは眠っているので、視点や解像度を変えてみたり、他社がどんなネタを拾っているか研究してみる。
社員が取材を受けてくれなくてつらい
外部メディアの取材にしても、オウンドメディアや採用向けの取材にしても、「社員が広報に非協力的」というのは困るところです。
が、「取材なんて受けたくないよ……」というほうがどちらかというと普通の感情です。自分の感覚が麻痺しているだけかもしれないので、ひとりずつまずは仲良くなり、味方を増やしましょう。
✓ ヒント
とりあえず取材のことは置いといて、まずは積極的に協力してくれる人から味方につけて、社内の空気・流れを変えていこう!他社事例を見せてみるのもおすすめ。
広報が魔法のように扱われていてつらい
「ちょっとPRでこれ話題化させちゃってよ」とか言われると、つらいですよね。
そんな簡単じゃないんですけど……。という言葉をそのまま上司にぶつけるとトゲがあるので、広報PR本を読んでもらったらどうでしょうか?
▼広報PRのおすすめ本はこちらです
» 広報・PR歴4年の私が読んでよかった本まとめ【初心者向けから実践まで】
✓ ヒント
広報は魔法じゃありません!という気持ちは胸にしまいつつ、広報PRの本をこれ見よがしにオフィスに設置してみるといいかも。
もう、コミュニケーションがつらい
コミュニケーションを仕事にしていると、ある日突然ふつうの会話すらもしたくなくなったりします。
そうなるとけっこう人間活動に支障が出るので、思い切って休むべき。人と関わらない休日などを上手く挟みましょう。
✓ ヒント
それは大変。有給とって美味しいもの食べて、寝よう。
どうにもこうにも広報がつらいなら、辞めましょう
個人的には広報はとてもおもしろくて、やりがいのある仕事だと思いますが、どうやったって辛い人・適性がない人もいます。
いろいろ考えてどうしても辛いなら、やめるのも手ですね。
- 問題・課題はなんなのか
- その解決策にはどんなものがあるか
- それはどうやったら実現できるか
の3ステップで紙(ここ重要!)に書き出してみて、「やめる」以外に見つからなかったら、やめてもいいと思います。
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おわり。