飲食店にメディアを呼び、取材と同時に試食もしてもらう「メディア向け試食会」。
注目があつまるタイミングで行い、一斉にニュースにしてもらえる手法です。新規オープンや新メニューの発表時にはぜひともやりたいですね。
メディア向け試食会について、
どんな感じで行うの?時期や時間帯はいつがいいの?会場は?メディアの呼び方は?何人くらい来てくれる?当時用意しておくものは?
など、気になることを一通り説明します。
Contents
メディア向け試食会開催の流れ
メディア向け試食会を行うのは、何か新しい発表ゴトがあるとき。PRイベントと同じです。
1ヶ月半前くらいから準備をはじめ、以下のような流れで進めていきましょう。
- 1ヶ月前:プレスリリース日時・内容の決定
- 〜3週間前:イベント招待状の作成・配信
- 3週間前〜前々日:メディア招致活動
- 前日:出席者の管理
- 当日:メディア向け試食会実施
プレスリリース日時とは、そのニュース自体を世間に発表するタイミング。「メディア向け試食会」はそれよりも少し前に行います。
オープンのタイミングなら、プレオープンとして前日などに行うのがいいですね。
メディアの人たちは忙しいので、1ヶ月前、どんなに遅くとも3週間前くらいには案内を開始しましょう。
出席者数は前日には確定し、人数にあわせて当日のオペレーションを考えます。
新規オープン?新メニュー?何がニュースなのか
そもそもですが、何もニュースがないときに唐突に試食会を行っても来てくれるメディアはいないので、何かニュース性があることが前提です。
- 店舗自体が新規オープンする
- 新しいメニューを販売開始する
- 店舗で一般向けのイベントを行う
このあたりが一般的な飲食店のニュース。
最もオーソドックスなのは、オープンのタイミングで行うことです。
そのお店自体が第一号店なのか、関西地方に初出店なのか、海外から初上陸なのか……。ニュース性の高さはこういう部分で決まります。
メディアの目に止まるニュースの作り方は、飲食店のプレスリリースの書き方の記事でまとめたのでこちらも参考にどうぞ。
試食会の目的とターゲットを設定する
メディア向け試食会は、それなりにコストも時間もかかることです。
本当に試食会をやる必要があるのか?をよく考えたうえで、目的とターゲットを設定しましょう。
- 目的:日本初上陸する台湾初のお茶専門店を、メディアの人たちに一足早く知ってもらうこと
- ターゲット:グルメ系メディア、女性向けメディア、若い女性インスタグラマー
たとえばこんな感じ。
ジャンルにもよりますが、グルメ系メディアにはこんなのがあります。
ターゲットの定めかたがわからなければ、最近話題になった似たようなお店を探して、どんなメディアに露出しているか調べてみましょう。
試食会を開いたとは限りませんが、たとえば飲食店が記事として取り上げられるのは以下のようなタイトルイメージです。
▼飲食店の記事イメージ
» 松山空港に和カフェオープン! 「坊っちゃん列車」な空間でバリスタの1杯を|マイナビニュース
» 「ボタニスト カフェ」から、オープン1周年を記念した3種の限定ドリンクが登場!|VOGUEGIRL
» 日本初!回転スイーツ食べ放題カフェ「ロンロン」原宿にOPEN|女子旅プレス
メディア向け試食会に適した時期・時間帯
メディア向け試食会を開催する時期は、そのニュースから遡って1週間前〜前日くらいがおすすめです。
オープン当日にニュースが出せるように、メディアが記事を作成する時間を見積もって考えましょう。
時間帯は、お昼すぎくらいの時間が一番良く、次に夕方、その次に午前中です。特に理由がなければ、14時前後をおすすめします。
曜日についてはプレスリリース配信日時と一緒で、慌ただしい月曜日と金曜日を除いた火・水・木がいいですね。
メディア向け試食会の会場はお店でOK
メディア向け試食会の規模ですが、タレントが出演するような場合を除いて、そんなに人数は来ないと思ってください。
だいたい平均して10媒体前後、日本初上陸などの話題性があっても30媒体程度です。
記者会見ばりにメディアが殺到するタイプのイベントではないので、会場は店舗で十分です。お店の規模に合わせてイベント規模を決めればOKです。
会場では、お店のなかを自由に回りつつ立食で味見してもらうスタイル一般的です。ホテルやレストランなどの場合、着席で食べていただくスタイルでもいいでしょう。
来場時間をずらして対応するのもアリ
お店が狭い場合や、一度に提供できるメニュー数に限界がある場合は、来場時間をずらすというのもひとつの手です。
30分単位で幅を作っておけば、1つ1つのメディアにも丁寧に対応できます。
どちらにしてもスペースと料理の量が限られるので、人数コントロールを前日まででしっかりしておく必要があります。
試食会招待状を作成しメディアに配信
概要が決まったら、招待状を送りメディアに配信します。
メディア向け試食会の招待状は、A4用紙2〜3枚くらいで送ります。PRイベントと同じですね。
- 試食会概要(日時・会場)
- 当日のスケジュール
- 会場案内図
- シェフなどがいる場合はプロフィール
これらの要素は必須です。
出席連絡は、FAXで返信ができるように返信状をつけておきます。テレビ・新聞・雑誌をターゲットとしない場合、メールのみの受け付けでもいいと思います。
配信方法はプレスリリースと同じです。
メディアだけじゃなく、インフルエンサーも呼ぼう
飲食店はインフルエンサーによって拡散してもらいやすいジャンルです。
有名メディアだけでなく、ブロガーやインスタグラマー、YouTuberなどを招待するのもいいですね。
HPのお問い合わせなどから招待すればけっこう来てくれます。メディアよりも濃い紹介をしてくれることが多いので、効果は絶大です。
メディア向け試食会の当日運営
当日の流れとしては、
- 前半20分:説明やトーク
- 後半40分:試食・歓談タイム
くらいの流れがいいと思います。
先に取材にあたっての注意事項やポイントなども話しておきまいましょう。後半は試食しつつ取材をしてもらい、気が済んだメディアから勝手に帰れる座組にしておくと親切です。
試食メニューの詳細は紙で用意しておくと、あとから確認の手間が省けます。
メニューの説明ができるスタッフは複数名いるとよいですね。メディアとの懇親も兼ねて、説明をしつつ次以降の取材にもつなげる機会にしましょう。
フォトブースは必須
食べ物は写真が命なので、フォトブースの用意は必須です!
店内の導線上で邪魔にならないところにテーブルなどを設置して、撮影用にいくつかメニューを置いておきます。
インスタ映えするように、クロスを敷いて季節の小物などもあしらっておきましょう。フォトプロップスなどを用意してもいいかも。
このあたりはもはや常識になりつつあります。
応用編:定期的に開催するランチセッション
これはちょっとオマケの話ですが、、、
月ごとや四半期ごとにメニューが変わるようなお店では、メディア向けのランチセッションを定期開催していたりします。ホテルレストランなど、規模が大きめの高級店が多いです。
メディア同士の交流会も兼ねていることが多く、他メディアと相席させて会話をしてもらうことで、お互いの情報交換にもなるといった感じです。
話題は必然的にそのレストランに関連のあることになるので、お互いの記事のブラッシュアップにもなるし、お店としても今メディアが興味のあることがわかります。
定期的にふるまうことでメディアを囲い込みたいという意図もあったりします。
おわりに:試食会も手段のひとつとして使いましょう
PRやプロモーションをWEBで完結させ気味の現代ですが、飲食は実際に足を運んで食べなければわからないことがたくさんあります。
オフラインイベントもうまく使うのが大事ですね。
広報活動の基本から知りたい……という人は、プレスリリースの書き方を別の記事で書いたのでぜひどうぞ。
試食会に限らず、飲食店が取材を受けるときの対応はこちら。
おわり。