ジェンダーについて調べていたら、最近のセクシュアリティはずいぶんと進んでいるなーと発見がありました。
私は以前LGBTフレンドリーなカナダ・トロントに住んでいたことがあるので、ジェンダーの多様性についてはある程度知っているつもりでした。でもここ数年で新たな言葉や概念がどんどん出てきていますね。
人間には男と女の2種類がいて、男女が愛しあい結ばれる
こんなシンプルな時代はどこへやらです。
「性的マイノリティ」ともいわれますが、もはやどっちがマジョリティでマイノリティだかわからないぞ……?というくらい世界は多様な性にあふれていました。
日本語情報がまだ少ないようなので、今回の学びをシェアします。
Contents
- 1 「性自認」と「性的指向」
- 2 LGBTはほんの入口。最近明らかになった11の性的指向
- 2.1 1. Asexual(アセクシュアル)
- 2.2 2. Aromantic(アロマンティック)
- 2.3 3. Graysexual(グレーセクシュアル)
- 2.4 4. Demisexual(デミセクシュアル)
- 2.5 5. Demiromantic(デミロマンティック)
- 2.6 6. Lithromantic(リスロマンティック)
- 2.7 7. Pansexual(パンセクシュアル)
- 2.8 8. Polysexual(ポリセクシュアル)
- 2.9 9. Panromantic(パンロマンティック)
- 2.10 10. Skoliosexual(スコリオセクシュアル)
- 2.11 11. Queerplatonic Relationships(クィアプラトニック関係)
- 3 まとめ:この世界は多様性にあふれている
「性自認」と「性的指向」

セクシュアリティについて語るとき、大きく「性自認」と「性的指向」にわけて考えられます。
- 性自認:自分の性別をどう認識しているか
- 性的指向:恋愛・性愛がどの対象に向かうのか
「自分は女性で、恋愛対象が男性」という人は、「性自認が女性で、性的指向は男性に向いている」と言いかえられます。
「性自認」については、日本でも理解度がだいぶ上がってきたと思います。オネエタレントブームや「性同一性障害」の認知拡大があり、見た目と心の性別が一致しない人がいることは常識になりつつあります。
なんと、タイには18の性別があるといわれているんですよね……。単純に男女の2種類では語りきれないこともわかってきました。
一方で「性的指向」は、LGBTといったワードとともに認知度が上がり、最近はカミングアウト(自身の性的指向を好評すること)をする有名人も出きています。
カミングアウトの良し悪しは置いといて、「ゲイやレズビアンは左利きの人はAB型の人と同じくらいの割合で存在する」という認識が広がるなど、理解は進んできているのかなと思います。
でも、LGBTどころじゃなく、世界はもっと大変なことになっていました。
タイには18種類の性別があるといわれてて、「性自認」の多様性についてはある程度知っていたけど、「性的指向」の範囲までいくと知らないことたくさんあった。
デミセクシュアル、リスロマンティック、スコリオセクシュアルなどなど。周りと話が合わないなって人は、世界のどこかに答えがあるのかも👫
— Ryoko Wani🍍 (@ryokown) 2018年6月6日
ツイートした単語以外にも、新たに定義されたセクシュアリティがいくつかあるみたいです。
これだけあると、「自分はストレートだ」と思っていても、どれかしらの概念に当てはまってもおかしくないなーと思いますよね。
もしかしたら、恋愛観が人と違って苦しんでいる……という人の仲間も見つかるのかな、という気がします。
LGBTはほんの入口。最近明らかになった11の性的指向

ここ数年で新たに発見された11のセクシュアリティについて、HUFFPOSTに面白い記事がありました。
» What’s A Skoliosexual? – There’s a lot more out there beyond “hetero,” “homo” and “bi.”
最近といっても2015年なのですが、こういった内容を伝えている日本語メディアの情報は今(2018年現在)でも数えるほどしかありません。
こちらを参考にしつつ、自分で調べた情報や解釈も交えながら、11のセクシュアリティをまとめてみます。
なお、英語で頻繁にでてくる”sexual”と”romantic”の違いは以下のように定義しました。
- sexual=性的=肉体的
- romantic=恋愛的=精神的
英語圏では”Sexual Orientation(性的欲求の指向)”と”Romantic Orientation(恋愛的欲求の指向)”にわけて考えられ、性的欲求と恋愛感情は別物として扱われています。
まだまだ新しい概念ということもあり、その境界はあいまいな部分も多いようですが、sexualとromanticの区別は大事かなと思いました。
それでは見ていきましょう。
1. Asexual(アセクシュアル)
アセクシュアルは、日本語にすると「無性愛」と訳されます。「誰に対しても性的に惹かれることがない人」のことを指しています。
「かわいいな、かっこいいな」といった美的魅力を感じることはあっても、それが「付き合いたい」「セックスしたい」という欲求には結びつきません。
「性的欲求も恋愛感情も抱かない」というと他人に興味がない人のようですが、アセクシュアルの人でも友情や家族愛などの愛情は人並みにもっています。
手をつないだりハグをしたりというスキンシップを求めることもあるようですが、それ以上の関係は望みません。
アセクシュアルは個人の選択ではなく、先天的なものといわれています。
補足:近い概念で「ノンセクシュアル」というものもあり、これは「恋愛感情は抱くけれど、性的欲求は抱かない」タイプのことです。
» 参考:アセクシュアル(無性愛)とは?ノンセクシュアル(非性愛)との違いも解説!
2. Aromantic(アロマンティック)
アロマンティックは、「性欲はあるけれど恋愛感情をもたない人」です。
誰かと精神的につながりたい気持ちはあるし、セックスするのも好きだけれど、恋愛的な関係を築きたいと思うことはありません。「恋をする」ということがないのです。
ごく普通に誰かとデートしたり付き合ったりしてみる人もいるようです。しかし「恋愛」というもの自体が理解できないので、相手の気持ちに答えられなくて悩みます。
「ロマンティックな感情」もよくわからず、恋愛ドラマや恋愛小説にもあまり興味がもてません。
アセクシュアル同様、アロマンティックも先天的なもののようです。
» 参考:【用語解説】アロマンティックとは?恋愛感情と性的欲求
3. Graysexual(グレーセクシュアル)
アセクシュアルとセクシュアルの中間で揺れ動いている指向のことを、グレーセクシュアルといいます。
英語では「アセクシュアルとセクシュアルの間のマジカルプレイス」という表現がされていました。
通常はアセクシュアルで性的・恋愛的感情を抱かないけれど、ある特定の限られた条件下でのみ、性的・恋愛的欲求がうまれることもある、という非常のグレーであいまいな人たちです。
グレーセクシュアルの特徴のひとつは「流動的(fluid)」であることです。普段はまったく興味をもたないけれど、自分でも理由がわからずに突然性的な気持ちを抱き、それが数日間続いたりすることがあります。
ゆらゆらしていてはっきり自分のアイデンティティが定まらない、、という人もグレーセクシュアルに分類されます。
» 参考:WHAT IS GRAYSEXUALITY?
» 参考:Graysexual: What It Is and the Common Qualities of Greysexuality
4. Demisexual(デミセクシュアル)
デミセクシュアルは「半性愛」と訳され、「強い感情的な絆がすでに築かれている関係」の人にのみ性的欲求を感じる人のことを指します。
その感情は恋愛感情だったり友情だったりするのですが、「強い結びつき」が性的欲求の条件になります。そのため、かなり親密な関係にならないかぎり、セックスしたいと感じることがありません。
「付き合ったばかりの人やよく知らない人とはできない……」というのは、貞操観念が強い人ならありえなくもない感情です。そのため、自分がデミセクシュアルであるという認識に時間がかかることも多いようです。
» 参考:What Does Demisexual Mean? Here Are 6 Signs That You May Identify As Demisexual
5. Demiromantic(デミロマンティック)
デミロマンティックはデミセクシュアルに似ていますが、性的欲求はあるものの、恋愛感情を抱きにくいタイプです。
恋愛感情をはほとんど抱かないのですが、「強い感情的な絆がすでに築かれている関係」の人を好きになることが稀にあります。
一目惚れや出会って間もない人に対して恋愛感情をもつことはなく、ロマンティックなシチュエーションも苦手です。恋は盲目といいますが、自分がコントロールできなくなるほど恋に溺れることもありません。
幼馴染や長い付き合いの友人など、心を許した関係の相手への愛情が恋愛感情に発展するケースが多いようです。
» 参考:Coming Out: DEMIROMANTIC – YouTube
6. Lithromantic(リスロマンティック)
リスロマンティックは、「恋愛感情はあるが、相手から恋愛感情を向けられることは望んでいない」という人です。
簡単にいうと「両思いにはなりたくない」ということになります。一方的に想うことが苦ではなく、関係の発展を望みません。人によっては、好きな人が自分を好きになることに気持ち悪さを感じことすらあるようです。
複雑なセクシュアリティで、英語でもあまり情報がありません。
断定はできませんが、調べたところ後天的な要素が強いような気がします。自尊心が低く、自分が好意をもたれることに嫌悪感を抱いてしまう、わざと嫌われるような態度を取ってしまう、などが特徴です。(個人の見解です)
7. Pansexual(パンセクシュアル)
パンセクシュアルとは「全性愛」と訳され、「すべてのジェンダーの人に性的欲求や恋愛感情がもてる」人のこと。
男性でも女性でも、またそのどちらでもない性別の人に対しても、すべての性に恋することができます。そもそも人を愛するにあたって、性別というものを意識しないことが特徴です。
バイセクシュアル(両性愛)との線引きが難しいのですが、バイセクシュアルが「男性でも女性でも愛せる」と考えるのに対し、パンセクシュアルは「性別を意識せずに愛せる」ということになります。
この間は流動的で、「自分はバイセクシュアルだと思って生きていたけど、いろんな人を好きになるうちにパンセクシュアルじゃないかと思い始めた」みたいなことがあるようです。
» 参考:パンセクシュアル(全性愛)とは?意味からバイセクシュアルとの違いまで
8. Polysexual(ポリセクシュアル)
複数を意味するPolyが付いているとおり、「複数のジェンダータイプの人に性的欲求や恋愛感情がもてる」人のこと。「多性愛」といわれます。
パンセクシュアルの範囲が狭いバージョンで、「複数の性別に惹かれるが、すべてのジェンダーと付き合えるわけではない。一部のジェンダーとは付き合う能力や願望がない」という指向です。
たとえば、「自分は男性で、女性や、心が女性の男性、その他複雑なジェンダーを持つ人とも付き合えるけど、肉体・精神ともに完全に男性の人とは付き合えない」といった感じ。
「多性愛」という字面から恋多き人の印象を受けることもあるようですが、同時期に複数の人と付き合うというわけではありません。
9. Panromantic(パンロマンティック)
性的ではなくプラトニックな恋愛感情の面で、すべてのジェンダーの人に惹かれるタイプ。「全恋愛」といわれます。
精神的には全ジェンダーと恋に落ちることができるのですが、そこに性的欲求は伴いません。
パンロマンティックの指向をもつ人のなかにはPanromantic Asexualという人もいて、「恋愛感情は性別問わずもつことがあるけれど、性的な関係はもちたくない」ということがありえます。複雑ですね。
» 参考:Panromantic Asexual: What It Is and What It Isn’t
10. Skoliosexual(スコリオセクシュアル)
スコリオセクシュアルは、「男性・女性のどちらにも当てはまらない性別に惹かれる人」というタイプです。
つまり、生まれた性別と心の性が一致していない「トランスジェンダー」の人だけを好きになり、性的欲求を抱くというのが特徴です。
性自認にねじれのない「シスジェンダー」には、性的欲求も恋愛感情も抱きません。
11. Queerplatonic Relationships(クィアプラトニック関係)
「恋愛関係ではないが、親密で感情的な絆が存在する関係」のこと。
いわゆる「友達以上、恋人未満」のことですが、ふつうの友情よりももっと深く情熱的な関係です。親友だったり、恋愛感情のないライフパートナーだったり。
このクィアプラトニック関係にあるパートナーのことを英語圏では「ズッキーニ」と呼ぶのですが、由来はなんとなくテキトーに決めただけだそうです笑
”He is my Zucchini.”という感じで紹介します。
まとめ:この世界は多様性にあふれている

まだまだたくさんあるのですが、一旦これで終わります。
自分に当てはまるものはありましたか?これだけセクシュアリティが多様だと、今まで「恋愛観が人と違うのかな」と悩んでいたことの答えが世界のどこかにあるような気がします。
そういうセクシュアリティの概念があることを知らなければ、自分を当てはめることも、他人を認めることもできないですよね。広い世界を知って、みんなが多様性を受け入れられる日本になるといいなあと思って書きました。
私自身は、特にどれかに当てはまると思ったわけではありません。ただ、デミロマンティックについて語る少年にはかなり共感してしまいました……。
英語ですが、興味があったら見てみてください!
多様性が受け入れられて、個性が爆発する世の中になりますように。
おわり。